これらの負傷は、ポステコグルーにとって本当に不運だったと主張することもできるかもしれない。しかし筋肉系の負傷は完全に偶然ではない。ポステコグルー自身、12月に「単なる運だとは思わない」と語っていた。そしてシーズンを通して、クラブ内の上層部は、選手たちのコンディション管理が筋肉系負傷の多発に関係していたのではないかと考えるようになっていた。1月にはThe Athleticが、メディカル部門の問題や、12月8日のチェルシー戦に向けてロメロとファンデフェンを復帰させるという判断の詳細を報じた。この試合で2人とも新たな負傷を負ったことを忘れてはならない。ポステコグルーはこの件について、最終的な責任から逃げようとはしなかった。
「全ての決断は私に帰属する」と彼は1月25日に語った。
「誰かの首を求めているなら、私のを差し出すよ」
昨季の不調の説明は「アンジ・ボール」そのものに求める者もいるだろう。ポステコグルーのハイリスク・ハイリターン型のフットボールである。
これが、スパーズがリーグ戦で64ゴール(4位チェルシーと同数)を挙げ、得失点差がわずか-1に留まった理由を説明している。勝利は11試合のみに留まり(これより少なかったのは1934-35シーズンまで遡る)、その中には、マンチェスター・シティに4-0で勝ったり、アストン・ヴィラやウェストハムに4-1で勝つなど、圧巻の試合もあった。一方で、降格したイプスウィッチ・タウンやレスター・シティにホームで敗れてもいる。
スパーズが完璧に機能していたとき、彼らのフィジカルは圧倒的で、手がつけられなかった。マンチェスター・ユナイテッド戦での119.8km、シティ戦での117.7kmなど、今季でも最高レベルの走行距離を記録した試合がいくつもあった。しかし、それはトランプの塔のようで、1枚でも欠ければ全体が崩れてしまうものだった。特に主力選手が欠け、控えがその役割を果たせなかったときには。
ライバルの監督たちはスパーズの脆弱性に気づいていた。
「彼らのアイデアは非常に明確に見える」とあるプレミアリーグクラブのコーチ(関係維持のため匿名希望)は語った。
「彼らは前線に多くの選手を配置し、ハイプレスで多くのゴールを奪う。しかし両サイドバックが高い位置を取るため、サイドに大きなスペースができて、そこを突けば倒せる」
スパーズがピッチ上で完全に迷子になっていたのは疑いようがない。内部では、同じミスを繰り返し、同じ形で失点し続けることに苛立ちがあった。しっかりセットされているにもかかわらず、ボールを失ってカウンターを受け、3対2や4対3の守備を強いられる場面が多すぎた。対戦相手は、スパーズがプレスへの対処策を持たず、同じことを繰り返すだけであることに驚いていた。つまり、それはスタイルの問題か、控え選手の質の問題か、それとも両方なのか?