トッテナム・ホットスパーの会長は、ノースロンドンのクラブがようやく成功を味わった今、その次に何が起こるかを左右する重大な決断を下すことになる。
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アンジ・ポステコグルーは現在、ギリシャのビーチに腰を下ろし、スパーズに41年ぶりのヨーロッパの栄冠をもたらしたことが、指揮官としての続投に十分であるかどうかという、会長からの判断を待っている。ほとんどのクラブなら、議論の余地などない話だが、ここはトッテナム。変化があまりに頻繁に起きるため、スタッフは名札を付けて挨拶の手間を省いた方がいいほどだ。
ポステコグルーにとっての問題は、レヴィがトロフィーを渇望しているという話は多かったが、今シーズンのクラブにとってそれだけでは済まなかったという点である。オーストラリア人は、負傷者続出もあってプレミアリーグで何も達成できず、降格の心配もないと見て、ヨーロッパリーグに重きを置くことを決めた。結果、スパーズは弱体化した先発メンバーで17位に沈み、クラブ記録となるリーグ22敗を喫した。
それはひどい戦績だった。そして昨シーズン、5位フィニッシュ時と比較して賞金が3,380万ポンドも減少することになった(プレミアリーグでは1つ順位が下がるごとに約280万ポンド賞金が変わる)。これはポステコグルーにとって高くついた決断であり、彼がすべてのリソースをヨーロッパに注ぎ込んだことにクラブ内部の一部の人たちが反対した理由のひとつでもある。
だが結局、ポステコグルーの賭けは両面で成功した。レヴィとトッテナムの無冠時代はついに終わり、チャンピオンズリーグ出場権というおまけ付きで、オーストラリア人は求められていたすべての目標を「従来のやり方ではないにせよ」達成したと言える。そして欧州最高峰の大会から巨額の資金が流入することで、失ったプレミアリーグの賞金も相殺されることとなった。
だが、それが「十分」であるかどうかは、レヴィ次第だ。この会長は常にノースロンドンのクラブをいじり続け、改善や刷新と信じるものを時に先手で、時に後手で行ってきた。
その間、このクラブの中で安定感があったのは、レヴィと彼の2人の信頼厚い側近、執行役員のドナ-マリア・カレンと、オペレーション兼財務担当役員のマシュー・コレコットによる約四半世紀にわたる体制のみだった。そして今夏、そのトリオは解体される。カレンは土曜日に取締役を退任し、今後数ヶ月のうちにクラブを離れる予定だ。
コレコットについては、新CEOのヴィナイ・ヴェンカテシャムが今週着任することで、その役割に変化があるかもしれない。