ケヴィン・ダンソ – Kevin Danso
仮にロメロが退団した場合、トッテナムは別のセンターバックを獲得するだろうが、ケヴィン・ダンソがフランクのもとで新たなリーダーとして台頭する可能性もある。
オーストリア人のダンソは強いキャラクターを持ち、困難な状況でチームに加わったにもかかわらず、シーズン最初の4ヶ月間で多くの有望なパフォーマンスを見せた。26歳の彼には、ボールを持った際の雑さもあったが、アンジ・ポステコグルーのシステムのように難しいパスやドリブルを求められることは、今後は少なくなるかもしれない。
ビルバオでのヨーロッパリーグ決勝では後半に重要な役割を果たし、強いリーダーシップとキャラクターで、すでにドレッシングルームでも人気を集めている。3バックにもフィットできる彼は、メンタリティの面でもフランクと早期に良好な関係を築けるだろう。それが、ロメロ退団時の後継者争いで優位に立つことにつながるかもしれない。
ネイサン・コリンズ – Nathan Collins
フランクは、ブレントフォードで信頼を寄せていた選手に目を向けるかもしれない。そして、センターバックの中でもトッテナムに最も合いそうな補強候補が、ネイサン・コリンズだろう。アイルランド代表の彼は、2ヶ月も前に24歳になったばかりだが、フランクの下で飛躍的に成長し、守備のキーマンとなった。
フランクは、センターバックの右側でプレーしたコリンズについて昨シーズン半ばにこう語っている。
「彼は(前のシーズンに)ケガをして、そのせいで出遅れてしまった。ペースを取り戻すのに苦労し、いくつかのミスもあって、自信をなくしてしまったんだ。だけどシーズン終盤には、最初の好調な状態にほぼ戻っていたよ」
「今はより安定感が出てきていて、ボールを持った時の落ち着きもいい。ポケット(中間スペース)へのパス、斜めへのパス、背後へのパスも出せる。とても良い選手だ。今年はゴール前でいくつか重要なブロックもしていて、ボックス内の守備もうまくやっている。プレー全体に一貫性が出てきたね」
「もう一つ大事なのは集中力だ。彼の集中力は確実に上がっているし、世界最高の選手たちが持っているのは、90分間集中を保つ能力なんだ」
トッテナムにとっての問題は、コリンズが2029年までの長期契約を結んでおり、安価ではないという点だ。ただし、ロメロに対して高額のオファーが来て、それで売却した場合、フランクの下で昨シーズン数々の好パフォーマンスを見せた若いアイルランド人を獲得し、すぐにシステムへ組み込むことが可能になる。市場に出ている他の外国人選手に比べれば、リスクは少ないだろう。


