「まったく驚きじゃないね。というのも、カップ戦の決勝から2週間もあったのに、ダニエルは一度も表に出てきて、『彼が我々の監督だ。なんでこんな憶測が出てるんだ?来季も指揮を執る』とはっきり言わなかったからだ。カップを獲ったその日から、ダニエル・レヴィは一言も発しなかった。あの時点で、もう彼の運命は決まっていたと確信したよ。絶対にそうなると分かっていたし、どんな意味でも驚きはない」
この解任に対する反応は割れている。一方では、ポステコグルーがトッテナムに久々の主要タイトルをもたらし、近年まれに見る歓喜の夜を演出したという事実がある。
しかしもう一方で、シーズンを通じて彼は次第に人気を失い、国内リーグでの不甲斐ない成績、38試合中22敗という結果によってその評価は失墜していった。クラブ運営に対する不満の矛先は、サポーターの間でダニエル・レヴィへと向けられた。
なお、レドナップにとっても、ヨーロッパリーグ優勝だけでは不十分だった。
「厳しい判断だよ」
「まあ難しいところではある。正直言って、トッテナムは今季ひどかったからね。リーグでは下から4番目、これは惨事だ。カップ戦に勝った、それはすばらしい。でも、カップ戦ってのは、勝てるときは勝てるものだ」
「グレアム・スーネスのコラムを読んだけど、『自分もカップを勝ち獲った』とあった。運に恵まれれば勝ち上がれることもあるし、できるんだ。ユナイテッドに勝った?あの決勝戦だって、どっちに転んでもおかしくなかった。でも、結果として勝った、それはすばらしいね」
「とはいえ、全体的に見れば、ダニエルはこう考えたんじゃないか。『昨年のテン・ハフはどうだった?ユナイテッドは彼を残して補強もしたが、結局シーズン途中で解任する羽目になった』とかだろうね」
「じゃあ今、アンジを残して、3人、4人、5人と新たに補強して、それでクリスマスまでにリーグでの改善が見られなかったら?そのときにはまた彼を解任しなきゃならない。そして彼が連れてきた選手たちが残ることになる」
「ダニエルはそういうことを全部考えたんだと思う。厳しい判断だけどね。アンジのことは好きだよ。いい奴そうだし、今年もう少しチャンスを与えてもよかったと思うけど、ダニエルがあのとき彼を公に支持しなかった時点で、それ(続投)は絶対に起きないことだったんだよ」