新監督が着任したとはいえ、クラブのキャプテンの将来が依然として不透明なままであることは、今夏に向けてトッテナムが抱える厄介なシナリオを潜ませている。
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前任者であるアンジ・ポステコグルーがそうであったように、トーマス・フランクもまた、トッテナムのスター選手に関するやや厄介な状況を受け継いでいる。
2年前、ポステコグルーは、ハリー・ケインがノースロンドンのクラブを退団する可能性が高いことを知りつつも、バイエルン・ミュンヘンからできるだけ高額の移籍金を引き出すために、それを明言することができなかった。結果的に、オーストラリア人指揮官はケインをプレシーズン・マッチで起用しながら、代役なしでのシーズンの準備をしなければならなかった。
そして今週フランクが就任した時点で、状況は似て非なるものだが、クラブで最も知名度があり尊敬されている選手、ソン・フンミンに関して同様の問題を抱えている。ケインとは異なり、韓国代表のスターが今夏退団することが確実というわけではないが、クラブ在籍10年目の今、契約は残り12ヶ月しかなく、月日が経つごとに移籍の可能性は高まっている。
今月初め、ソン本人がこれまで以上に移籍に前向きな姿勢を示していると報じた。というのも、彼はついにトッテナムのキャプテンとして欧州タイトルを掲げ、歴史を刻んだからである。先月のヨーロッパリーグ決勝戦を前に、ソンは韓国メディアに対し、過去数年間クラブに残留していたのは、自分でやり遂げたいという強い想いがあったからだと語っていた。
現在、ソンはすでにクラブ史に名を刻むレジェンドであり、それ以前からそうでなかったにしても、過去10年で454試合に出場し、173ゴール、101アシストを記録した選手として、今後の進路は彼自身が決めるべきだとされている。
「今ここで何かを言うよりも、待つ方が正しいと思う。契約もまだ残っているからね」
ソンは今月初め、韓国人記者団に語った。
「記者の皆さんやファンの皆さんを含め、多くの方が興味を持っているのは分かっているよ。でも将来について考えるよりも、今の自分の立場で何が起きるかを見守る方がいいと思うんだ。自分がどこにいようとも、常にベストを尽くす選手であり続けたいし、これからもそうであるべきだと思うからね」
あと18日で33歳を迎えるソンにとって、そしてクラブにとっても、長い旅路の中での分岐点が近づいている。ソンは今も、どんなレベルであれプレーできる能力を有しており、それは来季チャンピオンズリーグ復帰を果たすトッテナムでも実現可能だ。一方でクラブにとっては、今夏がこの看板選手からまとまった移籍金を得る最後のチャンスでもある。