決勝戦は決して華麗な試合ではなかった。だが、それが何だというのか? 我々はトロフィーを手にしたのだ。
彼はより「現実的な」面を見せた。守備的に構え、ブロックを敷き、カウンターで仕留めるというアプローチ。そしてそれは、何度も成果を上げた。
ここまではヨーロッパに焦点を絞ってきたが、もし彼がこの現実的な一面をプレミアリーグでも取り入れることができるなら、つまり相手や状況に応じて柔軟にやり方を変えることができるなら、スパーズは順位表を駆け上がることも夢ではない。そもそも現在の17位からなら、もう上がるしかないのだ。
もうひとつ、彼が続投するための条件がある。これはレヴィとスポーツ・ディレクターのヨハン・ランゲにかかっている。今シーズン、負傷者続出によってチームは壊滅的な状況に陥った。来シーズンに向けて、もっと選手層を厚くし、より優れたスカッドが必要だ。それは夏の移籍マーケットでの的確な補強にかかっている。
ポステコグルー自身も、もしカラバオ・カップやヨーロッパリーグで深く勝ち進んでいなければ、プレミアリーグでの成績はもっと良かっただろうと認めている。来シーズンはチャンピオンズリーグが加わる。もう、ひとつの大会にすべてを賭けるようなシーズンは繰り返せない。
彼には、すべての大会を戦えるだけのスカッドが必要であり、そのためには、彼が望む選手をきちんと補強することが不可欠なのだ。
チャンピオンズリーグ出場には莫大な財政的メリットがある。レヴィもそれを理解している。しかし、その金をきちんとスカッドの強化に使わなければ意味がない。
レヴィがポステコグルーを解任し、新たな監督探しのループに戻る可能性もあるだろう。だが、彼を支持するという選択をするのであれば、それは「真の支持」であるべきだ。その意思を示すためには、スカッドへの資金の投入が何よりの証となる。



