まずミッドフィルダーとアタッカーの優先ポジションの補強と退団する選手の代わりとなる新たなサイドバックの獲得が実現する可能性が高く、その後、移籍マーケットの後半にセンターバックの獲得が見込まれるとfootball.londonは理解している。
トッテナムは、センターバックの補強候補として伊藤とムリーロをスカウトしたとみられる。長年このクラブで左サイドバックを務めてきたデイヴィスは、今シーズン、クラブの負傷者続出の危機に際しセンターバックとしてもプレーすることでポステコグルーに好印象を与えたが、契約の残り12ヶ月となるなかでその将来は不透明。31歳のウェールズ人新天地でレギュラーとしてプレーする選択をする可能性がある。
伊藤とムリーロはどちらも比較的若く、左利きで、ポステコグルーのセンターバックのオプションとして十分にバランスが取れており、それぞれスキルセットが異なっている。21歳になるムリーロは、ストライカーとして若手時代を過ごしたこともあってボールを扱うスキルに優れる。ブラジルではさらにミッドフィルダー、そしてディフェンダーにポジションを移している。
フォレストは、ファイナンシャル・フェアプレーのルールに従うため、今月中に選手を売却しなければならない状況に直面しているが、一方のトッテナムは夏の移籍マーケットの後半までセンターバックの補強を先送りする可能性がある。したがって、6月30日のPSR(利益および持続可能性のルール)の決算期限を前にムリーロの獲得に他クラブが動く可能性があり、プレミアリーグのトップクラブの多くがそのムリーロの獲得に関心を持っていると報じられている。
先月25歳になった伊藤に関しては、トッテナムは別の財政的要素に注目しているだろう。この日本代表ディフェンダーの契約解除金は3000万ユーロ(2530万ポンド)弱と報じられているのだ。サウジアラビアのクラブはその契約解除金を支払っても良いと伝えられているが、伊藤はそのようなオファーを断っている。ただし、ドイツの報道によるとプレミアリーグへの移籍は別の問題だという。
この伊藤洋輝は近年、シュツットガルトのバックラインに欠かせない存在となっており、左サイドバックでもプレーできるという点でもトッテナムにとって魅力があるだろう。
ポステコグルーは日本のサッカーで過去に指揮を執っていた経験があり、2021年に日本の2部リーグを戦っていたジュビロ磐田からブンデスリーガのクラブにローン移籍したこのディフェンダーのことを知っているはずだ。
デイヴィスが移籍を決断した場合、伊藤はこのスパーズで最も長く在籍したウェールズ人が昨シーズン担った両方の役割をカバーするだろう。そうすれば、ACミランが関心を示しているエメルソン・ロイヤルが移籍した場合に備えて、スパーズは逆サイドのサイドバックの補強にすることができる。
今のところ、ポステコグルーは攻撃とミッドフィルダーの選手層を厚くするため、センターバックへの具体的な動きを見せていないが、スパーズ内部では伊藤のシュツットガルトのチームメイトであるドイツ人のクリス・ヒューリッヒへの関心との報道には否定的だ。
トッテナムは選手の放出にも注力しており、タンギ・エンドンベレとはクラブとの契約を双方合意で終了させるべく話し合いが行われている。また、スペインのクラブからはジオバニ・ロチェルソへの関心がある。両選手がノースロンドンのクラブを離れることになれば、トッテナムが2019年夏の移籍マーケットで獲得した高額補強の選手たちは、すべて失敗という結果でクラブを離れることになる。今月、ライアン・セセニョンは解雇され、ジャック・クラークはすでにサンダーランドに移籍している。



