ポステコグルーがトッテナムをプレミアリーグで最もエキサイティングなチームの一つに変貌させた最も印象的な物語は、現在バイエルン・ミュンヘンでゴールを量産しているハリー・ケイン抜きでそれを成し遂げたことだ。イングランド代表キャプテンを失ったにも関わらず、スパーズはリーグで3番目に多いゴール数を記録している。
「それは選手たちの功績だよ。取るに足らないことではないからね。ハリーがすでにやり遂げたことからでもわかるだろう。彼はワールドクラスのストライカーだ」
「彼は世界最高か、少なくともトップ3には入っている。だから、そのような重要な選手を失うと、それが影響を与える可能性があるが、選手たちはそれを理由や言い訳として使っていない」
「選手たちはそれを受け入れて、こう言ったんだ。『分かったよ。僕らがやるべきなんだ。サポーターはまだ僕らを応援しに来てくれている。ハリーを応援するためにではなく、トッテナムを応援しているんだ』とね。それはどのフットボールクラブにも言えることだ。ファンはクラブをサポートしており、クラブはすでに前進しており、我々も迅速に前進しなければならないんだ」
「自分たちを卑下することに意味がないよ。この状況で我々が苦戦した場合に注目されるのは、ゴールを決められないことに違いはないんだ。そうなれば理由は明白だからね。だから、選手たちがその部分を受け入れてくれたのは助かったよ。我々のプレーの重要な要素であり、あらゆるエリアで脅威を与えてチームを構築する方法の一部であることは確かだ」
「セットプレー、カウンター・アタック、逆転を目指して土壇場でのビルドアップ・プレーなど、我々のゴールがさまざまな方法から生まれてきたのを見れているのは素晴らしいことだよ」
「だから、それは素晴らしかったと思う。もし我々がうまくスタートできなかったとしたら、それがゴール不足のせいだったとしたら、それを言い訳にするのはとても簡単だったかもしれない。そう『ああ、我々はハリーの穴を埋められていない』と言うだろう。今特定の方法でプレーしている我々のチーム内では、このチームがどのように成長するかを見ることに興味があり、何が欠けているのかには興味がないんだ」
今シーズンのトッテナムで見られることとして、テクニカル・エリアを飛び回っていたこれまでの監督と比べて、タッチライン上で冷静なヘッドコーチの姿だ。ポステコグルーはほとんどの時間帯で、落ち着いて試合を観察し、分析しているが、選手が必要と感じた場合には、奇妙なアドバイスを吠えている。
「ああ、私にもそのようなことをする時があるよ。ただ、あっても自分らしくやるしかないと思う。それが私という人間なんだ」
「私は映画を見るようにフットボールの試合を観るんだ。集中してね。それを観てるときに、人に話しかけられるのは好きではないんだ。気を散るからね。そしてフェアに言うと、近年の私はおそらくVARのせいで熱量が下がってしまったと思っている」
「ピエロのようにはなりたくないんだよ。だって熱く祝った後に、ゴールが取り消される可能性があって、私も頭の片隅にはそこがチラついてるからね。まずは結果がどうなるか見てみよう、と。でも、それが私なんだ。私は一人の人間であり、試合当日の自分の役割は、自分が完全に試合に関与するために、できる限り集中することだと思っているんだ」