ケインは何年にもわたって、イングランド代表のチームメイトたちがクラブでタイトルを獲得するのを見てきたが、その中には2017年にスパーズからマンチェスター・シティへ移籍し、5度のリーグ優勝とチャンピオンズリーグ優勝を含む13の主要タイトルを獲得したカイル・ウォーカーも含まれている。
30歳のケインは、チームメイトがタイトルを獲得するのを傍観することで「傷ついていた」と明かし、それがバイエルンでクラブでのタイトル獲得を目指す動機になったと語った。
「競技者として、(代表でチームメイトの)選手たちがチャンピオンズリーグを戦っているとき、僕はただ家で座ってそれを観ているだけだったけど、それで自分が傷ついてなかったと言ったら嘘になるね」
「もちろん、僕は彼らが良い成績を収めることを望んでいる。カイルや他の選手たちには、僕が参加していない大会でなら勝ってほしい。でも、僕の心の中には、同じような経験を積みたいという気持ちもあったんだ。彼らが戦ってる姿を観て、それが嫉妬という言葉が適切かどうかはわからないけど、彼らが獲得したトロフィーに僕も向かっていくことで自分を押し上げようとするモチベーションになったんだ」
ケインはプレミアリーグの歴代最多ゴール記録を目指すためにイングランドのクラブを離れることに消極的であるという憶測が長らくあったが、この夏、アラン・シアラーの合計260ゴールにわずか47ゴール及ばない状況でスパーズを去った。
「その話題が盛り上がっていたと思うし、僕がその記録に迫っているという事実はあったけど、僕はチームのタイトルよりも、個人の栄誉を追い求めるような人間じゃないよ」
「結局、自分がどれだけ上手くなれるかは自分次第だし、毎シーズン、チャンピオンズリーグでフットボールをして、タイトルを争わなければいけないと感じていたんだ。バイエルン・ミュンヘンは間違いなくその環境を僕に与えてくれたよ」
「もちろん、その記録を達成できれば素晴らしいものになるだろうし、いつかそれを破ることができたら、素晴らしいだろうね。でも、僕がフットボールをする理由はそれじゃないし、僕の選択がそれを示しているよ」
今シーズンのチャンピオンズリーグ決勝はウェンブリーで開催され、ユーロの本戦はケインの新天地であるドイツで開催されるが、ケインはバイエルンとイングランド代表とタイトル獲得を達成できれば夢のシナリオになると考えている。
「チャンピオンズリーグ決勝がウェンブリーで開催されることは知っているし、来年の夏にドイツでユーロが開催されることも知ってるので、そんな映画のようなシナリオを現実にするために全力を尽くすよ!」
「難しいだろうけどね。まだ時間はたくさんあるのであまり考えたくないけど、もしそうなったらとんでもないことになるよ」