セリエDでプレーしていた時代からイタリア代表に招集されるまでに成長し、現在はセリエAで最も評価の高いキーパーの一人となり、トッテナム・ホットスパーで新たな守護神を託されたヴィカーリオに、今のところ怒りはない。なお、スパーズではお気に入りの背番号13をつけることになる。
このゴールキーパーのカルチョ界での歩みは、トップに立つまでに大変な努力を強いられた新監督のアンジ・ポステコグルーによって高く評価された。
「初めて監督に会ったとき、僕にそのことを言ったんだ」
「もっと長くなっていたかもしれないね。頂点に到達するためにどん底からスタートしたんだ。僕らにとっては、これは勇敢さで手にした大成功だと思う。大きな精神力がものを言ったんだ。どん底から這い上がるのは、そう簡単ではないんだよ。自分自身にとっても、監督身にとっても大きな挑戦だったと思うし、自分たちのプロセスを誇らなければいけないと思う」
優れた英語を話すヴィカーリオは、火曜のウェストハム戦でスパーズ・デビューを果たし、ポステコグルーが目指す攻撃的なフットボールの特徴を早速この初戦で発揮され、スパーズの枠内シュート数はハマーズの7本に対して32本だったが、スパーズは3-2で敗れた。
新ゴールキーパーは、オーストラリア人指揮官が自分に求めていることを正確に語った。
「監督はキーパーが足を使ってプレーするプレーの構造が彼のフットボールにとって重要だと言ったよ。だから、そのために改善するには多くの努力が必要だけど、改善したいと思っている。あと監督はフリーキックを蹴ったり、カウンター・アタックのためにボールの配給をスタートするといった、攻撃的なキーパーを望んでいる。僕もそういったプレーが大好きだよ」
「僕は攻撃的なキーパーになりたいし、エリアの外に出てボールを扱うのが大好きなんだ」
ポステコグルーのもとでのトレーニングについて語るヴィカーリオ。
「とても良いよ。良い影響、良いコーチたち、良い選手たち、良いトレーニングだ。良いシーズンを過ごすためにすべてが順調だと思うね。僕らには大きなグループがあり、集中力を持って取り組んでいて、8月の最初の試合に向けて準備は整っていると思う」
オーストラリア、タイとシンガポールでのスパーズのプレシーズン・ツアーは、これまでのクラブで世界中を旅したことも、トッテナムのようなプレミアリーグのクラブとして世界中なファンに触れたこともなかったヴィカーリオにとって、新鮮なものである。
その顔を見ればそれがどれほど新しい世界であるかが見て取れ、本人には自分がどれだけ高みに上がって来たのかを思い起こさせるに違いない。2014年、若手だったヴィカーリオはウディネーゼからローンでセリエDのフォンタナフレッダに移籍し、後に同じセリエDから昇格を続けたヴェネチアの一員となった。
「セリエDへの最初のローン期間はずっと前のことだったね。ほぼ10年前のことだ。自分の成長過程と、自分が到達できたことに満足しなければならないと思う」
「これから、僕は未来に向けてさらなる高みに到達しなければならない。スパーズで一生懸命頑張って、成長して最高のレベルに到達するために、ここで最高の環境を手にすることができるだろう」