エンドンベレにとっての最初の試練は、最大28人の選手が含まれる可能性があるオーストラリアのパースに向かう遠征メンバーの1人に指名され、金曜日に飛行機に乗り込むことだ。
キャプテンのウーゴ・ロリスは移籍先を検討するためにツアーには参加しないかもしれないし、イヴァン・ペリシッチやおそらくピエール・エミール・ホイヴィアもそうなるかもしれない。今後2日間でポステコグルーが戻ってきた選手たちと話し合うことで、その決定が下されるだろう。
ポステコグルーは、グリエルモ・ヴィカーリオやジェームズ・マディソンといった新戦力は、最後尾からスタートして執拗なポゼッション・ベースの攻撃的フットボールを体現する彼のスタイルを実現するために彼自らが非常に慎重に選んだ補強だと明言した。
もっと現実的でしばらくは忍耐を強いられるような平凡な言葉を聞かされることを予想していたトッテナム・ファンにとって、ポステコグルーが将来に良いことが起こり得ると語るのを聞くのは心地の良いものだっただろう。
記者の一人が「プレミアリーグを8位で終えて、スパーズは長らく無かったヨーロッパの大会に出場しないシーズンに臨みます。あなたにとって成功とはどのようなものでしょうか?」と質問をしたとき、ポステコグルーはニヤリと笑い、ここでも記者会見室の雰囲気を和らげてくれた。
「あなたはかなり暗いイメージを作り出したね。その事実に興奮していたんだよ。私は軽視することなく公平に言うと、それこそが私がここにいる理由でもある」
「私がここにないもののすべてを愛している理由であり、私はこのフットボールクラブに成功をもたらしたいし、このフットボールクラブにヨーロッパの大会への出場権をもたらしたいと思っている」
「このクラブをあるべき場所に戻すためにね。最も大切なのは、ここには大きな挑戦があり、私はそれが大好きだってことなんだ。私にとって、これまでのキャリアを通じて常に再建を目指すチームを引き継いできたが、それこそが挑戦なんだよ」
「私は永遠にここにいるわけではないので、できれば私の任期中には続くものを作りたいと思っている。素晴らしいストーリーでありそっれこそが成功ではないか?ファンはそう言ってくれるだろう」
どの監督も良いたとえ話を好むが、ポステコグルーは記者会見の収録部分の終盤で、道路が鉄道に変わり、脱線事故で混乱が生じ、それでもノンストップで収録部分の終わりを迎えることとなった。
この記者会見の展開を、我々は「アンジ・トレイン」と呼んでいる。脱線しそうでヒヤヒヤするが、また線路に飛び戻るような機関車の意味で、スパーズの新監督は、この機関車に乗る切符が欲しくないならば、その不可避な展開を遅らせるしかないと明確にした。
「私は選手たちにただオープンマインドで、あまり重圧に感じたり、期待したり、過去の歴史に囚われたりしないことだけだね。私が優れているからとかではなく、私は他の監督とは違うので、とにかくそれを理解してもらって、私が私のやり方でやっていくまでだ」