ハリー・ケインへのレアル・マドリードの誘惑こそがトッテナムの新時代に向けての難問を解決する最善策

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今夏のハリー・ケインの移籍におけるすべての関係者が考慮すべきことはたくさんあり、そしてこの移籍の顛末がそれら関係者の移籍マーケットに大きな影響を与える。

Evening Standard/Dan Kilpatrick

今月、トッテナムの新ヘッドコーチ、アンジ・ポステコグルーはレアル・マドリードの夏の補強ターゲットであるハリー・ケインとの話し合いを行う予定である。

スパーズのダニエル・レヴィ会長はどんなことがあってもケインをプレミアリーグのライバルクラブに売却することはないと主張しているが、レアル・マドリードから真剣なオファーが届いた場合、イングランド代表キャプテンが契約最終年を迎えたことを考えると手放しでは喜べないだろう。

ケインを残留させる理由は簡単だ。ケインはスパーズにとって圧倒的に最高の選手であり、クラブにとってのセンチメンタルな価値は言うまでもない。

スパーズが8000万ポンドから1億ポンドの大金を手に入れたとしても、ケインの穴を埋めるような選手であり、さらにスパーズが現実的に補強可能な選手は、移籍マーケットに存在しない。

クラブの近代史において最高の選手を失うことは、昨シーズンのチームの40%にあたる30ゴールを決めたことに言及するまでもなく、チームの中心的存在であり、ドレッシングルーム・リーダーであるこのクラブから心臓を奪われることを意味する。

ケインのいないスパーズは、来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権獲得の可能性が消滅し、ボトムハーフに転落する危険性すら浮上する。

昨シーズンの大半、まったく良いプレーができていなくても4位付近をさまようことができたわけで、ケインがいれば、新シーズンのトップ4入りの可能性はまだあり、2024年の夏にケインがフリーで去ってしまうという金銭的リスクをチャンピオンズリーグ出場権によって完全に正当化できるだろう。

ピッチ上でのケインのインパクトはもちろんのこと、彼の姿勢はエリートのプロフェッショナルであり、自らに高い水準を設定し維持する彼の周囲への影響力は、パフォーマンスと結果を改善するだけでなく、クラブの文化そのものを改革することを任務とするポステコグルーにとっても貴重なものであろう。

ケインがこの夏に退団すれば、ポステコグルーにとって大きな痛手となり、スパーズの新時代は始まる前から暗礁に乗り上げ、すでにキャプテンのウーゴ・ロリスはクラブを離れることが示唆されるため、リビルドの土台となるリーダーシップの欠如に悩まされることになる。

この夏にケインを維持し、ケインがスパーズが進歩的で説得力のあるヘッドコーチのもとでもう1年過ごすことになれば、最終的に本人にクラブとの契約延長を説得するチャンスが生まれるかもしれない。来年の今頃、復活したスパーズが、ケインとその若い家族にとって最も魅力的な所属クラブになっている可能性を誰にも否定できないのだ。

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