ユリアン・ナーゲルスマンの就任は見送られ、マウリシオ・ポチェッティーノのチェルシーの監督就任が迫るなか、スパーズは監督探しのスタートで大きく躓いているようだ。
Evening Standard/Dan Kilpatrick
すでにご存知の通り、ユリアン・ナーゲルスマンがトッテナムの次期監督になることは、ほぼ消滅した。
土曜日のアストンヴィラとの2-1の敗戦の前夜、3月にバイエルン・ミュンヘンから解雇され、現在無所属のナーゲルスマンを高く評価しているにもかかわらず、スパーズはこのドイツ人とはこれまでに話しておらず、これから話しをするつもりもないことを明らかにした。
特に、ナーゲルスマンがスパーズの新しいフットボール・ディレクターに誰が就任するか次第で、この仕事を引き受ける可能性があるというドイツでの報道から考えると、なぜフットボール界で最もエキサイティングなこの若い監督と話し合う機会を持たないのか、クラブの判断に大きな疑問が湧く。
スパーズは、2019年にマウリシオ・ポチェッティーノを解任した後、そして2021年のジョゼ・モウリーニョの後継者探しの混乱の中で、過去に2度に渡ってナーゲルスマンの招聘を検討したことがあった。その背景から、当時から何が変わったのかというさらなる疑問が湧いてくる。
35歳のナーゲルスマンがその性格的にクラブに合っているのか？現在のクラブが必要としているボトムアップの文化をもたら性質を持っているのか？そのような疑問をクラブが持つのはもっともだ。しかし、スパーズは少なくとも、本人のビジョンとアプローチについてもっと知るために、彼と話をしたいと思うのではないだろうか？
ナーゲルスマン自身の見解は今後明らかになるかもしれないが、彼はスパーズのスポーツ・ディレクター不在の現状に懸念を抱いていたようであり、一方のクラブ側が単に彼がこの仕事を引き受けそうにないことを認識した可能性もある。
いずれにしても、これまでスパーズの次期監督として名前があがった中で最もエキサイティングなこのドイツ人の就任が消滅し、さらにポチェッティーノが今週チェルシーの監督に就任することが決まろうとしていうる現状では、この監督人事を正しく行うことができるのかという疑問が膨らんでおり、ダニエル・レヴィ会長のプレッシャーは増すばかりだろう。
もしスパーズがナーゲルスマンを監督に決めていれば、ファン待望のポチェッティーノが最大のライバルであるチェルシーに加入したとしても、「スパーズはより若く、より革新的な監督を採用した」という理由で正当化することは容易であったろう。
そして、おそらくレヴィは、ポチェッティーノとナーゲルスマンを見送ったことを完全に正当化する、必勝プランを用意しているのだろう。もし、会長であるレヴィが新監督探しを加速させる前に、フットボール・ディレクターの就任を優先しているのであれば、それは順序としては合理的である。
しかし、懸念されるのは、コンテの解任からすでに50日を経過したスパーズの現在の監督探しが、モウリーニョの後任に72日を要し、ヌーノ・エスピリト・サントに行き着いた2021年の監督探しと不快な類似性を持ち始めていることである。
