スパーズがこの不毛な指揮官をこれ以上続投しても、得るものは何もない。
Evening Standard/Dan Kilpatrick
アントニオ・コンテは、あと数週間、あるいは数試合、ひょっとしたらシーズン終了後の契約満了までトッテナムに残り続けるかもしれないが、水曜日のチャンピオンズリーグでの敗退は、彼の不甲斐ない在任期間が終焉に近づいているように感じられた。
スパーズにとって、クォーターファイナルに進むにふさわしいACミランと引き分けたことから得た唯一のプラスは、少なくとも今、そのことが明確になったことだ。
もし、ハリー・ケインが終了間際にヘディング・シュートを放ったとき、それまでの173分間リードを許していたACミランに追いついていたとしても、そこで延長戦やPK戦で進む道を見つけたとしても、コンテの無意味で焦燥感を生む在任期間を長引かせるだけだっただろう。
金曜日の記者会見には通常通り出席し、土曜日のノッティンガム・フォレストとのホームゲームではベンチに入る予定だが、現状では、コンテがこれ以上現職を続けることでクラブが得られるものは、明らかに何も残っていない。
この1年間の大半、コンテは逃げ出したいと思っているように見え、何度も今シーズン終了後のコミットメントを拒否し、「私には役不足だ」というエネルギーを放ち、自分のパートナーを辱め、人前で相手を言い負かす傾向が強い人物だった。
遅かれ早かれ、彼は自分の望みを叶えることになる。その時期は、この7日間で2つのカップ戦から敗退したクラブに残された唯一の目標であるトップ4入りを果たすには、コンテが最適な人物だと会長がまだ信じているかどうかにかかっていると思われる。
水曜日の夜、契約が切れる前にクラブが自分を解雇する可能性があると認めたとき、それがコンテ自身も希望している状況なのではないかを疑うほどであった。
水曜日の彼の決断は、もうスパーズのことをほとんど気にしていないことを示唆していた。スパーズがゴールを必要としている戦局で、デヤン・クルゼフスキに代えてダビンソン・サンチェスを投入すればサポーターがどう反応するかは分かっていたはずだが、それでもその交代カードを切り、試合後には、「スパーズはミランのようなチームと戦えるだけの伝統がない」と言い切ったのだ。ちなみに、トッテナムはこれまでにチャンピオンズリーグの決勝トーナメントで4勝しているが、コンテはたったの1勝である。
ノッティンガム・フォレストやシェフィールド・ユナイテッドに敗れた国内カップ戦と同様、スパーズはミランを倒す、あるいは少なくともミランの選手たちに冷や汗をかかせるに十分なクオリティを持っている。しかし、一時は効果的でスリリングだったコンテのアプローチは、もうとっくにそのどちらでもなくなっている。
スパーズは数ヶ月前から対戦相手にしっかりと攻略されており、コンテのチーム選考で特に驚くのは、かたくなに調子の悪い選手を選び続けることだ。しかし、彼の戦術があまりにも陳腐化し、選手たちがもはやこのイタリア人のもとでプレーすることを楽しんでいるようには見えない以上、どの選手に対しても、そのパフォーマンス不足を責めるべきではない。