もうひとつの問題は、パラティチがプレミアリーグのオーナーズ&ディレクターズ・テスト(owners’ and directors’ test)に合格しているかどうかだ。このテストは、個人がクラブのオーナーやディレクターになることを禁止する要件をまとめたもので、「スポーツ団体や専門機関による禁止令」などが含まれる。
プレミアリーグのルールブックのセクションFには、「国際オリンピック委員会、UKスポーツ(英国のオリンピックおよびパラリンピックスポーツへの投資を担当する政府機関)、スポーツ・イングランド(デジタル、文化、メディア、スポーツ省の管轄下にある公的機関)、その他の英国のいずれかのスポーツ評議会によって承認されているスポーツ団体から、スポーツの運営への関与を直接的または間接的に停止または禁止されている場合(例えば、統括団体の管轄下にある者に対して、ある個人を雇用、契約、その他の方法で従事または保持しないように指示するなど)、取締役として不適格となる可能性がある」と、より詳細に記載されている。
この規則では、このような状況の変化が生じた場合、プレミアリーグの理事会は「その人物に資格を喪失したことをその理由を付して書面で通知し、直ちに取締役を辞任するよう求める。また、関連するクラブに対して、その人物が資格を喪失していることを理由を付して書面で通知し、取締役の辞任がない場合は、その通知を受け取ってから28日以内にその取締役を解任するようにしなければならない」とされてる。
なお、パラティチはクラブの取締役という肩書きにもかかわらず、カンパニーズハウス(英国の登記所)に登録されているトッテナム・ホットスパーの5人の役員には名を連ねていないが、プレミアリーグの公式ハンドブックには、クラブの取締役7人の中に名を連ねている。
いずれにせよ、トッテナムで次に何が起こるのかに注目が集まる中、ノースロンドンのクラブは混乱に陥ることは避けられないだろう。
