自らを見失ってしまったコンテ
アントニオ・コンテは、何も言っていないように見せかけて、自分の望むことをすべて言ってのける達人だ。移籍の話が持ち上がったとき、あるいは自分の将来について疑問が生じたとき、彼はクラブに対する圧力を高めて自分に有利になるように発言をするのである。ほとんどの監督がそうしているが、このイタリア人ほど規則正しく行動する監督はほとんどいない。
日曜日、自分のせいであり、選手のせいでもあるアストンヴィラ戦の敗戦の後、彼は長い時間をかけてあらゆるメディアに、本当は自分のせいではなく、数ヶ月前にこうなることを皆に警告していたのだと語った。
試合終了のホイッスルが吹かれたとき、スパーズはファンからブーイングを受け、その数分前にマット・ドハティとエメルソン・ロイヤルを交代させたときにも同様の反応が見られたが、最終的にスペンスを投入したときには、コンテがこれまで起用を拒み続けた事に対し、サポーターからこの日最大の、しかし皮肉な喝采を浴びた。
そのためか、試合後の記者会見でコンテはPRモード全開となった。Sky SportsとBBCに通常より長い6分間ずつインタビューで語り、終了のホイッスルから通常よりも長い、1時間以上経ってから記者会見に臨むことになったのである。
集まったメディアを前に、12分以上かけて4つの質問にじっくりと答え、さらなる質問にも答えて会見は終了した。
彼の答えには、共通したテーマがあった。「プロセスより多くの時間を必要とする」、「このチームから何かエキサイティングなことを期待すべきではない」、「昨シーズンは奇跡だった」、「（間接的な表現で）若手ではなく優れた年長の選手が必要で、もっと獲得資金を費やすべきである」、「トッテナムは近年彼が率いてタイトルを獲得したクラブらとは異なる」。
Sky Sportsのインタビューでコンテは次のように語っていた。
「メッセージはいつも同じだ。私は今シーズンの我々のチーム戦力でタイトルを争えるなどと話したことはない」
「シーズン当初から、もしタイトル争いに加わりたいのであればしっかりとした土台を作ろうと話していたよ。タイトルを争うためには、しっかりとした土台が必要なんだ」
