Evening Standard/Dan Kilpatrick
サディオ・マネが欠場したとはいえ、日曜日にイングランド代表が対峙するセネガル代表には見慣れた顔ぶれがたくさんいるであろう。しかし、アフリカ王者には、おそらくプレーを見たこともなければ、聞いたこともないプレミアリーグの選手がいる。
今シーズン、パペ・マタル・サールはトッテナムのトップチームの一員であったが、アントニオ・コンテのもとではまだ1分もプレーしていない。だが、出場停止のイドリッサ・ゲイェに代わって、5月以来公式戦でプレーしていないこの20歳のミッドフィルダーが、イングランド戦で先発出場することになるかもしれない。
静かで控えめなサールはまだ英語を学んでいる最中で、コンテのスパーズの中でフランス語を話す選手や選手のリエゾン・スタッフを除けば、彼について詳しく知る者はほとんどいない。
イングランドではまだ無名だが、1月のアフリカ・ネーションズカップで優勝したセネガル代表の一員として準決勝でプレーしたサールは、すでにワールドカップで活躍している。
この体格に恵まれたミッドフィルダーは、2019年にブラジルで開催されたU-17ワールドカップの決勝でプレーしているときにフル代表のアリウ・シセ監督に見出された。同大会でセネガルは予想を覆してグループリーグを突破し、サールは3ゴールを記録した。アメリカ戦では30ヤードのフリーキックを見事に決め、オランダ戦ではディフレクトしながらも絶叫するような決勝ゴールで驚きの勝利を収めた。結局、セネガルはベスト16でスペインに敗れたが、サールはその足跡を残し、2020年に故郷に近いダカールのジェネレーション・フットからフランスのメスに移籍することになった。1年後には1480万ポンドでスパーズに移籍したが、昨シーズンは再びメスにローンで在籍した。
セネガルのフットボール界では、サールの出世に驚く人はほとんどいない。父親のシダトはセネガルでプロとして活躍し、現在はコーチをしている。セネガル代表の関係者は、サールの叔父のうち3人(おそらく4人)がフットボール選手だったと語っている。
サールは、セネガルの首都ダカールから70kmほど離れた、フットボールの街で知られ、プロ選手を輩出することで有名な町、ティースで育った。若くしてユース代表を経験しているため、経験豊富な選手のようにプレーすることができ、今夏のプレシーズンにはコンテに好印象を与えたが、イタリア人はプレミアリーグで通用するようになるには、もっとバルクアップする必要があると考えている。
クラブは夏にサールをローン移籍させたかったようだが、オリヴァー・スキップの負傷によってクラブに留まることになり、ベンチでなかなか訪れない出番を待ち、じっと我慢しなければならなかった。
日曜日のイングランド戦でサールが目を見張るような活躍を見せれば、世界中からさらに注目を集めるには完璧な舞台となるだろうし、スパーズにおいても彼のことをもっとよく知るべきだと思う人が増えるだろう。