食い違うビジョンに込められたコンテのメッセージ
試合後、コンテは冷静に、この先制点を相手に許してしまう悪癖について選手と話す必要があると認めたが、実際のところ、冷静な会話をしていないことは確かだろう。
「選手たちと話をしたんだ、今はこういう状況が普通になってしまっているからね。でも、もっと改善しなければならない」
「試合の最初から最後まで、すべての場面でパフォーマンスを安定させることが重要だよ。このリーグの難しさはよくご存じだろう。現時点では、ユナイテッド、チェルシー、リバプールがチャンピオンズリーグ出場圏外にとどまっている。だから我々は向上心を持ち続け、一生懸命に働き、もう一段階上のレベルに行くことを念頭に置かなければならないんだ」
「だから、我々はもっと上を目指して、一生懸命に働いて、さらなるレベルに行くことを目標にしなければならない。私が来てから、我々は良いステップを踏み、昨シーズンはチャンピオンズリーグに出場権を手にすることができた。今、大切なのは成長し続けることであり、その方法はただひとつだ。一生懸命働くことであり、そして自分をもう一段階上のレベルに持っていくという気持ちを持つことだ」
コンテのメッセージは、クラブそのものに対するものであると同時に、選手たちに対するものでもある。「自分をもう一段上のレベルに持っていきたい」という思いが大切だ。
彼の交代カードもまた、現在のチーム戦力のクオリティを示すメッセージだった。サンチェスはタンガンガに、デイヴィスは血まみれのラングレに代わって、センターバックでプレーした。
一方、コンテの攻撃のオプションは限られていた。ピッチ上にはケインとクルゼフスキがいたが、9月以来2度目の先発出場となった後者はますますシャープになり、輝きを放っていた。
ソン・フンミンは、その走りでブレントフォードに勝負を挑んだが、この韓国のスターが今シーズン、プレミアリーグで1試合、チャンピオンズリーグで1試合しかゴールできていないことに変わりはない。昨シーズン、プレミアリーグでゴールデンブーツを獲得した選手としては、その水準を大きく下回っている。
しかし、コンテに攻撃のオプションを変更するつもりはないようだ。というのも、彼は自分のベンチ要員を信頼していないときは、使わないからだ。
