
ケインの完璧な復調
月曜日の午後、ハリー・ケインは本来の姿に戻った。この29歳のストライカーがワールドカップでのPK失敗の反省を生かすには、この試合でゴールを決めるしかないと思っていたが、まさにその通りになったのだ。
ブレントフォードのトーマス・フランク監督は試合後、イングランド代表キャプテンを封じるのがこの試合での作戦の一つだったと認めたが、前半のケインはまさに迷走を続けているようにすら見えた。
しかし、功を奏したのは65分だった。左サイドのラングレのパーフェクトなクロスに打点の高いヘッダーで合わせたケインが、ゴールに突き刺したのだ
その直後、ケインはゴールキーパーとディフェンダーの間に割って入り、もう一度勇敢なヘディング・シュートを放ったが、ボールはクロス・バーに当たり跳ね返され、2ゴール目は叶わなかった。
この試合は熟練したケインの姿ではなかったが、カタールでのあのPKの後、ブレントフォードのファンが「you let your country down(お前は国を失望させた)」と歌う中でのあのゴールは完璧な返答であった。
ケインは誰よりも傷ついていただろう。あの後、SNSで受けた、そしてこれからも受けるであろう、あの辛い瞬間を思い出させるような罵声や、不愉快な者たちから送られてくるひどい言葉は必要ない。
彼は数日間の休養を取り、家族と共に考え、その後にトッテナムに戻り、あのPKから逃れるためにすぐにでも実戦でプレーしようと、水曜日のニースとの親善試合ではハーフタイムにドレッシング・ルームに現れ、チームメイトを驚かせた。
翌日から練習を始めたストライカーは、4日後のブレントフォード戦で先発出場することに疑いの余地はなく、チームメイトも監督も彼について何の疑問も抱いていなかった。
ブレントフォード戦で今シーズン5ゴール目を決めたホイヴィアは語った。
「彼の屈強さをみくびるのは大きな間違いだよ」
「彼はマシーンだ。世界ナンバーワンになれるだけのクオリティを持っている。このフットボール界で一番やってはいけないことは、ハリー・ケインを疑いことだよ」