即戦力級の補強を見据えたアントニオ・コンテの明確なメッセージ、ジェド・スペンスの混乱、ケインへの望まれぬ警戒心

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トニーのゴールによるブレントフォードの2点目は、ダイアーが自陣でクリアを試みたボールを蹴り損ない、ブレントフォードのコーナーキックになったところから生まれた。そのコーナーでの守備で、ラングレはトニーのマークを外し、ゴール前1ヤードの距離から完全にノーマークでシュートを打たせてしまった。

前半のブレントフォードのゴールの際も、マティアス・イェンセンのシュートをこのフランス人がディフレクトしてしまい、フォースターははじくのが精一杯だった。フォースターがヴィタリー・ヤネルトのシュートをはじいたために詰められたと批判する声もあるかもしれないが、あの突然のシュート・コースの変化に瞬時のリアクションでなんとかセーブをしたのだ。また、ホイヴィアとイヴ・ビスマは、ヤネルトが2人の間にある広大なスペースに走り込んできたにもかかわらず、共にヤネルトを追走するべきだとは考えなかったのか、という疑問も持たれることだろう。

コンテはチームの守備に憤慨していたが、記者会見の場での態度はまったく違っていた。

ワールドカップで活躍したウーゴ・ロリスをベンチで休ませ、3バックにいつもとは異なる選手を起用して、さらにはキーパーも変えてみたものの、相変わらずの守備のパフォーマンスだった。試合後に1月の移籍マーケットで新しいディフェンダーを獲得したいかどうかを率直にコンテに尋ねた。

「ノー、ディフェンスに関してはね。今、我々は回復してきている思うよ。ジャフェト・タンガンガもね。彼は今シーズン初めての試合だった。膝の故障でかなり苦労していたからね。だがし、今日、彼が試合に出場できたことは、私にとっても喜ばしいことだ」

「それから、センターバックについて、我々は優秀だと思うよ。これからも努力を続けていかなければならない。クティ・ロメロは明日のトレーニングに戻ってくる。今シーズンは失点が多く、少しがっかりしている面もあるよ。一方、我々は多くのゴールを決め、チャンスを作り、多くの選手で攻撃していると思うね」

これでスパーズの守備陣は、コンテによって公には支持を得たことになる。ワールドカップで優勝したロメロは火曜日から練習に参加することになる。しかし、もしセンターバックが移籍マーケットで補強可能になり、コンテのチーム戦力を向上させることができるのであれば、そのような選手の獲得に躍起になるだろうということは周知の事実だ。

そうなればタンガンガはローン出されるか、十分なオファーがあれば完全移籍で売却されることになる。

センターバックがもう一人必要だとその場で公言するのは現戦力の士気に関わるとコンテは考えるかもしれないし、ディフェンダーたちの目を覚まさせようとしていると考える意見もあるかもしれない。また、クラブが特定のポジションの選手を必死に探していると知られれば、補強ターゲットとなる選手の所属するクラブは、その価格を引き上げに動くという経済的な側面もある。

カタールでのメッシの活躍で自信をつけたロメロは、戻ってくればバックラインに変化をもたらすだろうが、コンテはまだ先制点を奪われるこの惨めな状況をいち早く終わらせるために、バックラインに十分なクオリティをもたらせるオプションがあるかどうかを判断しなければならない。

もし、スパーズの指揮官がより良いディフェンダーは必要ないと判断したなら、その責任はバックラインを修正する任務を担う彼にあるのだ。

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