即戦力級の補強を見据えたアントニオ・コンテの明確なメッセージ、ジェド・スペンスの混乱、ケインへの望まれぬ警戒心

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守備の苦悩

鉄壁の守備構築において一日の長がある指揮官コンテにとって、今の3バックがここまで相手アタッカーに大盤振る舞いを続けているのは憎むべき状況であろう。

この日も、若手やベテランの選手を問わず、トッテナムのヘッドコーチが羽目を外すような守備でのミスを犯してしまった。

ジャフェト・タンガンガは膝の問題に悩まされていたが、コンテは24歳のアカデミー出身ディフェンダーがついにそれを克服したと語った。

このセンターバックは、1月以来となる先発出場を果たした。今シーズンの序盤のチャンピオンズリーグのマルセイユ戦では、ベンチから途中出場し、わずか17分間の出場にとどまっていた。

ベン・デイヴィスがワールドカップで負傷し、まだ100%の状態ではなかったため、クレマン・ラングレが中央、エリック・ダイアーが右でプレーするというのは、現実的な選択肢にはならなかったのだろう。

タンガンガは、マザウェル、U21ピーターバラ、ニースとの親善試合でも3バックの右でプレーし、ダイアーがいないときはサンチェスが中央でプレーしていた。

この選手起用には継続性という要素もあったが、マット・ドハティのサポート役を担う点でサンチェスよりもタンガンガの方がドハティをもう少し前へ出せるという思いもあったのだろう。

しかし現実は、残念ながらかなりその思惑とは違っていた。タンガンガは出場時間のほとんどを、イヴァン・トニーの影を追うことに費やした。ブレントフォードのストライカーは、敵がロングボールを放り込むたびに前線でボールをキープし、敵がサイドに展開するたびにボックス内にポジショニングし、今シーズンの素晴らしいパフォーマンスをこの試合でも続けていた。

タンガンガは、11ヶ月以上プレミアリーグの試合に出場していない選手のように見え、サンチェスが交代でピッチに入ったことによりスパーズの守備が見違えるように改善された事実はある種の皮肉であった。さらにサンチェスはピッチの前方でブレントフォードのキーパー、ダヴド・ラヤに強烈なシュートを放っていた。

だたし、問題はこの若手ディフェンダーだけではなく、ダイアーとラングレの守備もそれほど良くはなかった。

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