Evening Standard/Dan Kilpatrick
クリスティアン・ロメロはトッテナムの今後3試合を欠場するが、アルゼンチン代表のワールドカップ初戦に復帰する見込みであるというニュースは、このディフェンダーのクラブへのコミットメントが欠如していると一部のスパーズ・ファンを激怒させた。
そのニュースは、アルゼンチンのフットボール協会がプレミアリーグでプレーするアルゼンチン代表選手たちがワールドカップのために早期にクラブを離れるように要請したことが失敗した後にやってきた。
ロメロはスパーズのここ4試合のうち3試合を欠場しており、アントニオ・コンテは、彼が筋肉疲労に苦しんでいるとして、先週のスポルティング戦で出場させたのは「大きなリスクを冒した」のだと述べた。
ロメロを擁護する立場になれば、本大会直前にこれ以上リスクを負いたくないという気持ちは理解できるし、他の代表選手たちと同様、彼はFIFAの決定によって不利な立場に置かれている。
ワールドカップに出場することは、ほとんどの選手にとってキャリアの頂点であり、子供のころの夢を叶えることでもある。大会の1週間前まで、プレー強度の高いクラブでのフットボールに専念して、危険に晒されているというのは明らかに馬鹿げたことだ。
アルゼンチン代表の場合は、リオネル・メッシにとって最後のワールドカップとなるため、そのチームメイトにとっても、ここで優勝してフットボールが大衆宗教のような母国アルゼンチンの歴史に名を刻む最高のチャンスとなることは間違いないだろう。もちろん、ロメロ自身は体の負担を感じているため、ワールドカップで欠場とならないように気にかけている。
とはいえ、ロメロは今シーズン、スパーズの19試合中12試合に先発、スパーズに加入してから72試合中41試合、つまりわずか56パーセントしかプレーしていないのだ。
怪我による不運もあったが、過去にはアルゼンチンとの関わりで、クラブより代表チームを優先したことが問題になったこともある。
2021年9月、アルゼンチンが英国のコロナ規制のレッドリストに載っている中、クラブの命令を無視して代表チームに合流し、その後、英国への帰国時に隔離期間を過ごすことになってスパーズでの2試合を欠場した。さらに3月には、代表戦で出場停止中にもかかわらず、南米に渡って代表に合流したのだ。
スパーズ・ファンの怒りは、本来、ワールドカップの開催権をカタールに与え、選手保護を愚弄したFIFAに向けられるべきだが、ロメロがワールドカップの後のボクシング・デー以降、スパーズに集中し、クラブのサポートに報い始めることを期待するのも当然の道理だろう。