イングランド代表のキャプテンには、国民の期待を背負っている。彼は、スパーズと同様、この国にとって重要な存在であり、またウェイン・ルーニーが持つイングランド代表の最多ゴール記録を追いかけるという、新たな歴史的一面もある。ケインのこれまでの51ゴールは、ルーニーの記録まであと2つ。ほぼ半分の出場回数でその記録を打ち立てている。
コンテはケインがワールドカップで旋風を巻き起こす準備が整っていると考えている。前回2018年はゴールデンブーツを放ち、昨年のユーロではイングランドを決勝に導き、スパーズとともに再び国を背負う経験と実力を備えているのだ。
シーズン中断とその先にあるもの
話をトッテナムに戻し、シーズンの中断はコンテ、選手、クラブにとって状況を再編成し、最後の追い込みに向けて最善の決断を下すのに適切なタイミングとなる。
コンテは妻のエリザベッタと娘のヴィットリアと過ごすためにいったんイタリアに帰国し、トッテナムの試合日程のために15歳の誕生日を直接祝うことができなかったため、失われた家族の時間を取り戻すことになる。
コンテは過密日程での疲労を癒やす必要があり、そしてスパーズで達成したことと改善できることを見つめ直すことができる。そして、ダニエル・レヴィ会長とファビオ・パラティチとのミーティングを持ち、これまでのシーズンを評価し、シーズン後半に失速することなく前進するために1月の移籍マーケットで何が必要かを考えることになる。
このトッテナムはまだコンテが望むようなチーム戦力を備えていないが、プレミアリーグの順位表で4位につけていること、そしてチャンピオンズリーグのグループ首位でベスト16に進出したことを、当然ながらコンテは指摘し続けている。
スパーズのフットボールが批判されることもあるが、彼らは今シーズン、プレミアリーグで31ゴールを決めており、これはマンチェスター・シティとアーセナルを除くすべてのチームより多い数字だ。
リバプールとチェルシーがそれぞれ7ポイント差、8ポイント差で、マンチェスター・ユナイテッドが6ポイント差で2試合消化試合が少ない状況だが安定感に欠いており、後半戦からノースロンドンのクラブが息を吹き返すことを想定すれば絶好のプレミアリーグの順位表となっている。
