今シーズンのスパーズは、精神力を絞り出して劣勢から追いつき、追い越すことでリーグのどのチームよりも勝ち点を積み上げてきたが、まずチームには劣勢に立つことを防ぐためのクオリティを持つ戦力が必要になる。
チームとしての一体感は確かにある。試合後、クラブのインタビューに応じたベン・デイヴィスは、ドレッシング・ルームに戻ってチームメイトと共に過ごすことを切望していた。
「厳しい状況から何度も厳しい状況から立ち直ってきたことで、一体感が生まれたし、今日は本当に団結できたよ」
ノースロンドンのクラブでは、今何かが構築されつつあり、コンテを後押しし、彼の戦力を整えることでプレミアリーグを戦う強力な指揮官と戦士を生み出すことができる。
トッテナムは、ワールドカップのスター選手たちの帰国を心待ちにしつつ、カラバオ・カップに敗退したためブレントフォード戦の前に準備するための1週間の準備期間を持つことができる。
ワールドカップに出場しない選手たちは、休養期間中にホットスパー・ウェイでトレーニングを行うほか、非公開で最大3試合のフレンドリーマッチを行う予定だ。さらにワールドカップに出場していない国々に国際親善試合を行うという決定が最近になって下されたが、これはコンテには不評だった。
コンテは選手たちを国外に連れて行き、暖かい気候の中でトレーニングさせたいと考えていたが、比較的遅い時期にこのプランがあがったため、最新鋭のホットスパー・ウェイと同じ水準の設備を予約することは困難だった。
イタリア人は、緻密で計画的な方法ではなく、直感的な意思決定で有名である。そのため、選手たちが今後のトレーニングの時間や計画を知るのは、コンテが直感的に決断して動くため、以前の体制よりも遅くなることがある。
コンテは当初、ワールドカップの中断中にスパーズが何をするかわからないとメディアに語ったが、先月、選手たちを国外に連れて行きたいと公言するに至った。
そのコンテの決断が遅かったために、ワールドカップのスター選手たちがすぐにチームに戻れるよう、中東で練習するクラブもある中、スパーズはイングランドに残ることになった。
マウリシオ・ポチェッティーノはかつて、プレシーズン・ツアーで世界中を飛び回るよりも、ホットスパーウェイのピッチで充実した時間を過ごしたいと考え、このような状況に憧れていたのだけに、皮肉なものである。
この期間をコンテがどう使うかは、パラティチの移籍マーケットでの働きと合わせて、シーズン後半の目標を達成できるかどうかを左右することになる。