ターミネーター・コンテ、ダイアーのベンタンクール評、ソンのゴール直後のペリシッチの反応…レスター戦の注目トピック

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スーパー・ソンがコンテと自らの信念を貫く

トッテナム・ホットスパー・スタジアムでの試合前、そして試合中、試合後にエリザベス女王2世への哀悼の意が表されたが、ピッチ上で最もその思いを体現したのは、おそらくソンだったのだろう。

ソン・フンミンの才覚を疑い始めたとき、それがいかに危険な見誤りであるかを思い知らされることになる。

プレミアリーグでゴールデンブーツを獲得したこの男は、今シーズンの序盤、少し自信を失っていたようだったが、シーズン初ゴールはその失われていた自信を取り戻させるものだった。ロドリゴ・ベンタンクールのフィードを受け、ソンは走り、ボールを右に展開すると、やや前に出ていたダニー・ウォードを越えてドライブのかかった見事なシュートを放ち、ゴールネットを揺らしたのである。

20分ほど前に交代でベンチに下がっていた経験豊富なイヴァン・ペリシッチは、周りの誰よりも早くから何が起こるかわかっていたようで、フル装備のままベンチから出てきてテクニカル・エリアに向かって歩き、両腕を高く上げてこの素晴らしいシュートを祝福したのだった。

このゴールは、スパーズでのベスト・ゴールに匹敵するような素晴らしいものであり、このアタッカーのセレブレーションの有無がすべてを物語っていた。ソンは怒っているように見え、自分を疑っている人がいることに腹を立てているように見え、それをレスター・シティとの試合にぶつけているように見えた。そして2つ目のゴールは、1つ目のゴールと同じくらい美的感覚に溢れたものだった。韓国人フォワードは左足でカーブを描き、ディフェンダーやキーパーを避けるような軌道でゴール左隅に突き刺したのだ。

ソンは唇に指を当て、自分を批判する人々に沈黙を促すことでゴールを祝ったのだ。試合後のソンの言葉は謙虚で心に響くものだったが、フットボーラーがピッチ上で自らのパフォーマンスによってポジティブに怒りを発散する姿は、どこか清々しくもある。

ソンは試合後にSPURSPLAYのインタビューで次のように語っていた。

「頭の中や体の中に溜まっていたフラストレーションやネガティブな感情が、全部出てきてしまったんだ。それで動けなかったんだよ。ただ、スタンドを見上げて、『トンネルから抜け出せた』って思ってたんだ」

「正直に言って、僕にとってはタフな時間だったから、少し感情的になっていたよ」

ソンはピエール・エミール・ホイヴィアのパスを受け、ウォードの脇の下を抜けるシュートを放ち、すぐにハットトリックを達成した。線審ががオフサイド・フラッグをあげてこのゴールを取り消そうとしたものの、VARによってハットトリックは認められた。

そしてソンは3本の指を立て、ようやく唇に笑みを浮かべた。そして試合後、フィットネスコーチのジャン・ピエロ・ヴェントローネから最大級のハグを受けることになった。

このイタリア人コーチは選手たちを厳しく指導するが、選手たちは彼を敬愛し、特にソンは、ピッチから試合球を記念に抱えながら、このコーチと長い時間、感動的な抱擁を交わしていた。

ソンは自分の信念を証明できたと感じているだろう。ソンを先発から外したコンテもまた、肉体的にも精神的にも休ませるという決断が結果的に完璧であったことを証明したと感じていることだろう。

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