Evening Standard/Dan Kilpatrick
この夏、予想に反して効率性を追求したトッテナムは、土曜日、サウサンプトンとのホームゲームで、驚くほど…慣れ親しんだ姿でシーズンをスタートすることになる。
リシャルリソンは出場停止、イブ・ビスマは欠場の可能性あり。ジェド・スペンスとクレマン・ラングレはいきなり先発に抜擢されることはなさそうで、6人の新加入選手のなかで最も先発に近いとされたイヴァン・ペリシッチは、まだ完全にフィットではないようだ。
1億5000万ポンドの軍資金とフットボール界の最も要求の厳しい指揮官は、まだマット・ドハティとライアン・セセニョンをウィングバックとして、ベン・デイヴィスまたはダビンソン・サンチェスの3バックの一角として起用し続けるようだ。
それでも、アントニオ・コンテが5月27日にヘッドコーチとして新シーズンもクラブで続投することに合意してから、この慣れ親しんだメンバーでは、この夏のスパーズの印象的な進化を伝えることはないだろう。
2月下旬以降、コンテのチームは真価を見せており、敵地でのマンチェスター・シティ戦に3-2で勝利してそれを証明し、どんな相手でも立ち回れるように見えたが、チーム戦力の層の厚さが問題であることを、シーズン終盤戦にアカデミーの選手たちベンチを入れたことで露呈した。
5人の交代が可能になるルール変更の導入と、チャンピオンズリーグへの返り咲きとなる新シーズンを迎えるに当たり、これからまだ1～2人の補強があるかもしれないが、新戦力たちがスパーズを劇的に強化してくれるはずだ。
クラブ記録となる移籍金での補強となったリシャルリソンは、ハリー・ケイン、ソン・フンミン、デヤン・クルゼフスキの3トップとポジション争いをすることになり、ビスマと不調離脱中のオリヴァー・スキップはロドリゴ・ベンタンクール、ピエール・エミール・ホイヴィアととパワフルで刺激的な中盤オプションをコンテに与えてくれるだろう。
バルセロナからローン加入したラングレは3バックでしっかりとしたカバーとなる、フレイザー・フォースターはウーゴ・ロリスの控えとして経験豊富なホームグロウンの選手である。
スペンスはコンテから「クラブの決めた補強」と指摘されているが、いずれこの21歳は、コンテの成功のカギとなるウイングバックのスピードとダイナミズムをもたらすことが期待されている。
公の場では、イタリア人は新シーズンへの過度な期待を明かすことを抑えているが、ワールドカップによって2つに分断されるこの混沌としたシーズンを、スパーズがリーグ2強を倒し、3つのカップ戦すべてに挑戦するための好材料が整った舞台と見なすことだろう。
コンテはチーム戦力から「異質な要素」を取り除いた。タンギ・エンドンベレとジオバニ・ロチェルソはチーム構想から外れる見込みで、期待と失望の退屈なサイクルに終止符を打ちハリー・ウィンクスとセルヒオ・レギロンも退団となる見込みである。
