試合会場の大きなスクリーンにコンテが映し出されると歓声が上がり、観客がコンテの名前を連呼するチャントを歌うと、コンテが拍手をした時が、このツアーで最大の歓声のひとつだった。
そこでクラインの専門知識が生かされるわけだが、スパーズのスターがソンの人気とシンクロし合うことで、彼の仕事によって広げるべき市場を甚大だ。
ノースロンドンのクラブは、TikTokのアカウントが世界で2番目にフォローされているフットボールクラブで、これを凌ぐのはレアル・マドリードのみである。最近、スパーズのアカウントは2億インプレッションを突破し、そのうちの1億7800万は韓国からのもので、ソンの存在に大きく助けられている。
韓国は、トッテナムにとって英国に次いで2番目に大きなイーコマース市場となっており、1年間の売上は英国の半分程度、アメリカの2倍近くとなっている。
スパーズはこの機会をチャンスととらえ、送料や梱包費を英国並みにするなどの取り組みを行っている。ソウルでの2試合とも、観客の多くはクラブのユニフォームを着ており、その多くは最近発売された新シーズンのユニフォームだった。
その圧倒的な人気にもかかわらず、ソンはとても謙虚で、スパーズが自国を訪れ、自国民のもとにスパーズ全員がやってきてくれたことを光栄に思い、ホテルの各部屋にソンがプレゼントを用意して、感謝の気持ちを表す直筆のメモを添えて歓迎したほどだった。
さらに、ソンのブランドである「NOS7」の新作の服を全員にプレゼントし、普段はスーツ姿のスパーズのダニエル・レヴィ会長もそのTシャツを着て、ホテルや近くのショッピング・モールを歩いているのが見かけられたほどだった。
セビージャ戦の後、ソンは次のように語っていた。
「信じられないよ。ファンのみんなの愛…ファンが与えてくれる愛を感じているよ」
「レバークーゼンやハンブルクでも(プレシーズン・ツアーで)来たことがあるけど、スパーズでは、ファンが僕らのフットボールや主力選手にもっと興味を持ってくれているから、より特別なんだと思う。本当に楽しかったので、あっという間だったね。こんなにすぐに終わってしまうなんて信じられないほどだ。みんなが僕らを愛してくれて、スパーズを愛してくれて、チームを愛してくれていることに感謝しているんだ」
ソンはまた、木曜日の夜にソウルでチームメイトを韓国の伝統的なバーベキュー(焼肉)に連れ出した際、その代金を支払った。キャプテンのウーゴ・ロリスは、チームが結束し、慌ただしいスケジュールのなかで一息をつくために「良い時間」を共有できたと語っていた。