【炎上】プレミアリーグ公式、ヴィカーリオを嘲笑する投稿を削除。トッテナムの抗議で事態は一変

フラムに1-2で敗れ、降格圏への転落が危惧されるトッテナム。苦境に立たされるチームに対し、プレミアリーグの公式SNSアカウントがヴィカーリオのプレーを揶揄する動画を投稿した。これに対し、クラブ側やサポーターから「不適切だ」と非難が殺到。リーグ側は投稿を削除する事態に追い込まれた。

POINT

プレミアリーグ公式が、ヴィカーリオのミスを嘲笑する動画をSNSに投稿
判定の不一致に怒るサポーターやトッテナムの抗議を受け、リーグ側は投稿を削除
10戦未勝利という危機的状況下で、リーグによる選手への「嫌がらせ」が物議

レポート

公式アカウントによる不適切な嘲笑

トッテナムがフラムに敗れた日曜日の夜、プレミアリーグの公式SNSアカウントは、トッテナムの守護神ヴィカーリオをターゲットにした動画を公開した。内容は、ヴィカーリオが蹴ったフリーキックが誰もいないエリアへと飛んでいった場面を切り取ったものだ。

投稿には「まさに作戦通りのプレー(Just how the play was drawn up)」という皮肉なキャプションが添えられ、動画内には「ヴィカーリオによる興味深いフリーキック」という言葉と共に、笑い転げる絵文字と「おっと(whoops)」という文字、さらに再び笑う絵文字が使われていた。この投稿はX(旧Twitter)だけで50万回近く再生され、2500万人以上のフォロワーを持つTikTokアカウントにも掲載された。

クラブの怒りと投稿の削除

トッテナムは、プレミアリーグ公式という「リーグの声」であるべきアカウントが、自チームの選手を公に嘲笑する行為を重く受け止めた。football.londonが把握したところによれば、トッテナムは複数のルートを通じてプレミアリーグに対し、投稿が極めてお粗末であり、選手の福祉やメンタルヘルスの重要性を説くリーグの姿勢と矛盾していると抗議を行った。

この事態を受け、月曜日の朝までにプレミアリーグはすべてのプラットフォームから当該の投稿を削除した。ヴィカーリオはこの試合でエミル・スミス・ロウの決定機を防ぐトップクラスのセーブを見せていたが、公式アカウントは以前のフラム戦でのミスを再投稿するなど、彼を嘲笑の対象(パイルオン)にするような動きを見せていた。

判定への不信感と重なる反発

今回の炎上の背景には、審判の判定に対するサポーターの激しいフラストレーションがある。暫定ヘッドコーチのトゥドールが就任してからの2試合、判定の「一貫性のなさ」が議論を呼んでいる。

先週のノースロンドン・ダービーでは、コロ・ムアニが相手DFの背中にわずかに触れただけでゴールが取り消された一方で、今回のフラム戦ではラウル・ヒメネスがラドゥ・ドラグシンを明らかに押し退けていたにもかかわらず、ハリー・ウィルソンのゴールが認められた。判定によって不利益を被っていると感じているサポーターにとって、リーグ公式によるヴィカーリオへの「嫌がらせ」は、到底受け入れられるものではなかった。

背景・ソース

今回のレポートは、football.londonのアラスデア・ゴールド記者の取材に基づいている。トッテナムは2026年に入ってからリーグ戦で一度も勝利しておらず、16位という不名誉な順位に甘んじている。残留争いという極限状態において、リーグ運営側の無神経な情報発信が、クラブとリーグの関係性に新たな火種を投じる結果となった。

参照元:Premier League take decision after controversial Tottenham post causes uproar(football.london)

Quiz Cockerel

トッテナムの守護神ヴィカーリオの国籍であり、彼がかつてエンポリなどでプレーしていたリーグがある国はどこか?

1. スペイン
2. フランス
3. イタリア
4. ドイツ

正解:3

ヴィカーリオはイタリア出身であり、セリエAのエンポリで評価を高めてトッテナムに加入した。イタリア代表としても選出されており、その卓越した反射神経でスパーズの最後方を支えている。

スパーズジャパンの考察

1. 公式SNSのモラルとブランド毀損のリスク

経営的な視点で見れば、プレミアリーグ公式アカウントが特定の選手を嘲笑して「エンゲージメント(再生数)」を稼ごうとする行為は、リーグ全体のブランド価値を著しく損なう。特にトッテナムのような歴史あるクラブの主力選手をターゲットにしたことは、クラブとの信頼関係を破壊するだけでなく、リーグが掲げる「選手保護」のメッセージがいかに空虚であるかを露呈させた。SNS担当者の独走を許した管理体制の不全こそが、今回の「経営的失策」の本質だ。

2. 判定の不条理が生んだ「連帯」

今回の騒動で興味深いのは、ヴィカーリオ個人のパフォーマンスに批判的なサポーターですら、リーグ公式の嘲笑に対しては一斉に抗議の声を上げた点だ。判定の二重基準によって不当な扱いを受けているという共通認識が、ファンと選手をより強固に結びつけた。サポーターは「俺たちのトッテナムを返せ」と叫ぶ一方で、外部からの「不当な攻撃」に対しては、かつてないほどの結束を見せている。

3. ヴィカーリオに課せられた「二重の戦い」

ヴィカーリオは今、ピッチ上での残留争いと、SNS上での「嘲笑」という二重の戦いを強いられている。彼がフリーキックだけでなくキック全般の精度に課題を抱えているのは事実だが、それを改善するための強化策を練るべきは現場の役割であり、リーグが揶揄することではない。この逆境を跳ね除け、次戦のクリスタル・パレス戦でクリーンシートを達成した時、初めて彼は公式アカウントという「見えない敵」に対しても勝利を収めることになるだろう。