【ピッチ会見】トゥドール、フラム戦の敗北を断罪。「勝利への執着は見せたが、十分ではなかった」

プレミアリーグ第28節、アウェイでのフラム戦は1-2の敗北に終わった。イゴール・トゥドール体制での初勝利はお預けとなったが、試合後、指揮官は公式サイトの取材に対し、一切の言い訳を排除して敗北を認めた。後半に見せた反撃の兆しと、今後待ち受ける過酷な連戦への覚悟を語っている。

POINT

指揮官は「フラムの方が優れていた」と完敗を認める。 特に前半に許した2点のリードが致命傷に
後半の「勝利への執着」には一定の評価。リシャルリソン、テル、サールの投入が強度を高めた
17日間で5試合を戦う強行日程がスタート。「全員で団結し、前向きに働き続けるしかない」

レポート

前半の劣勢とリシャルリソンの反撃

トッテナムにとって、クレイヴン・コテージでの戦いは極めて厳しいスタートとなった。前半のうちにハリー・ウィルソンとアレックス・イウォビにゴールを許し、0-2のビハインドを背負ってハーフタイムを迎える。後半開始時もホームのフラムによる優位は続いたが、65分に交代出場のリシャルリソンがアーチー・グレイのクロスを頭で仕留め、スコアを1-2としたことで流れが変わり始めた。

終盤に向けてトッテナムは同点ゴールを狙って押し込み、交代枠で投入されたリシャルリソン、マティス・テル、パペ・マタル・サールの3名が試合に活気をもたらした。しかし、決定的なチャンスを構築するには至らず、終了間際にサールが放ったシュートもサイドネットを揺らすに留まった。

トゥドールによる冷徹な分析

試合後、イゴール・トゥドールはパフォーマンスに対する不満を隠さなかった。公式サイトの取材に対し、以下のように振り返った。

「我々はパフォーマンスに満足していない。フラムの方が優れていた。後半、我々は押し込み始めた。最後には勝利への執着(desire to win)があったが、十分ではなかった。もちろん、後半にはいくつかのポジティブな要素もあった。我々は集中を維持し、前進するために努力し続ける必要がある」

指揮官は、後半に見せた姿勢を認めつつも、チーム全体が目指すべきレベルには達していないことを強調した。

過酷な連戦への突入と団結の要求

チームには一息つく余裕すら与えられない。トッテナムは今後17日間で5試合を戦うという、極めて過酷なスケジュールに突入する。その幕開けは、木曜日の夜にホームのトッテナム・ホットスパー・スタジアムで行われるクリスタルパレス戦だ。

自身のアイデアを浸透させる難しさについて問われたトゥドールは、以下のように答えた。

「この困難な局面において、我々にできる最善を尽くし、全員で団結し、前向きに考え、働き続ける必要がある」

戦術の浸透よりも、まずはスカッド全体の精神的な結束と継続的なハードワークこそが、この泥沼を脱するための鍵であると説いた。

背景・ソース

今回のレポートは、トッテナム・ホットスパー公式サイトが掲載した、フラム戦直後のイゴール・トゥドールへの公式インタビューに基づいている。

参照元:Fulham 2-1 Spurs, Premier League | Igor Tudor’s verdict

Quiz Cockerel

フラム戦でリシャルリソンのゴールをアシストした、現在19歳の若きタレントは誰か?

1. ルーカス・ベリヴァル
2. アーチー・グレイ
3. パペ・マタル・サール
4. デスティニー・ウドギ

    正解:2
    正解はアーチー・グレイだ。この試合では左サイドバックとして出場し、後半に見事なオーバーラップからリシャルリソンの得点をお膳立てした。指揮官が「勝利への執着」と評した後半の反撃において、19歳の彼が見せた貢献は数少ない収穫の一つとなった。

    スパーズジャパンの考察

    1. 交代枠が証明した「強度」の必要性

    トゥドールが後半のポジティブな要素として挙げたリシャルリソン、テル、サールの躍動は、現在の先発陣に欠けている「フィジカル的な強度」を浮き彫りにした。冬に獲得した戦力や復帰した主力がベンチからしかインパクトを残せていない現状は、早急な先発構成の見直しを迫るものだ。パリーニャを本来の中盤に戻したものの、前半に主導権を渡してしまった守備組織の再構築が急務となる。

    2. 後半の「勝利への執着」を希望と捉えられるか

    「勝利への執着が見えた」という指揮官の言葉に対し、サポーターの反応は複雑だろう。残留争いという極限状態において、後半だけの反撃では勝ち点を得るには不十分だからだ。リシャルリソンが試合後に見せた悔しさを、いかにして先発メンバー全員がキックオフの瞬間から共有できるか。ファンの信頼を取り戻すには、言葉ではなくエヴァートン戦での「最初からの90分間」が必要だ。

    3. 17日間で5試合。試される「消防士」の真価

    今後17日間で5試合という強行日程は、戦術浸透を目指すトゥドールにとって試練以外の何物でもない。しかし、あえて「全員で団結し働き続ける」とシンプルに説いたことは、今の混迷したチームにとって正しいアプローチかもしれない。立ち止まって考える暇がないほどに試合が続くことが、かえって余計な雑音を排し、チームを「戦う集団」へと研ぎ澄ませる契機になることを期待したい。