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【試合評】FAカップ敗退で見えたトッテナム・ホットスパーの崩壊とトーマス・フランクの岐路|「言葉だけの野心」と「欠けたジグソーパズル」

トッテナム・ホットスパーが土曜日のFAカップ3回戦でアストン・ヴィラに1-2で敗れた事実は、クラブが掲げた「全コンペティションでの競争」という目標が、単なる言葉の羅列に過ぎなかったことを露呈した。football.londonのアラスデア・ゴールド記者は、トーマス・フランク政権が直面している「後退するクラブ」の現状と、崩壊の危機に瀕する組織の内部状況を分析している。

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言葉に追いつかない現実

7ヶ月前、クラブは「複数の大会で競争することが重要であり、アプローチの変更が成功への最強のチャンスを与える」と宣言した。しかし、2026年1月現在、その野心は見る影もない。スパーズはカラバオカップを去り、FAカップでも2013/14シーズン以来となる3回戦敗退を喫した。プレミアリーグでも14位と、1年前と全く同じ位置に停滞しており、実質的に「退歩」しているのが現実だ。

ゴールド記者が、ダニエル・レヴィの退任を含むルイス・ファミリーが主導する現在の経営陣の総入れ替えと絶え間ない組織変更を「動くベルトコンベアの上でジェンガを組み立てている」と表現した通り、クラブは安定を求めながらも自ら流動性を高め、崩壊のリスクを自ら招いている。

1. 繰り返される「負傷の連鎖」とスカッドの薄さ

かつてアンジェ・ポステコグルーのトレーニングや医療部門の責任にされていた負傷者問題は、監督が代わっても一向に改善していない。ヴィラ戦でリシャルリソンが新たにハムストリングを痛めたことで、離脱者は8名に達した。フランクは交代策を遅らせた理由として「ベンチに中盤の選択肢がなかった」と認めている。ゴールド記者が、フランクに与えられた現状を「箱の中にいくつかのピースが足りない巨大なジグソーパズル」と表現した通り、4つのコンペティションを戦うための選手層が揃っていない実態が浮き彫りになった。

2. 失われたスターパワーとアイデンティティ

ケインとソンの時代が終わり、今のスパーズにはピッチ上でチームを支えるスター選手が不在だ。ブレントフォードで成功を収めたフランクの招聘術は、ゼロからのチーム戦力の構築を意味していたが、ドレッシングルームとスタンドの忍耐はすでに限界に達している。戦術ボードの駒を自ら動かして抗議するケヴィン・ダンソや、口を覆って密談するファンデフェンの姿は、選手たちがより明確な導き、あるいは妥協を求めている兆候だ。

3. 漂う「アパシー(無関心)」の空気

かつて125年前にノンリーグのチームとしてFAカップを制した歴史を祝う夜、スタジアムには「毒気」と「無関心」が混在していた。57,718人の観衆は満員には程遠く、ビッグマッチのチケットが一般販売に回る現状は、ファンの熱量の低下を物語っている。ヴィラ・ファンの「明日の朝にはクビだ」というチャントに、ホームのサウススタンドの一部のスパーズ・ファンが唱和した事実は、フランクがすでにファンの信頼を失いつつあることを示している。

フランクは自身の進退とファンとの関係について、以下のように語っている。

全員を幸せにする唯一の方法は、一貫したパフォーマンスを見せ、十分な勝利を収めることだ。それしかない。
後半、特にファンと選手が互いにエネルギーを与え合う姿を見ることができた。残念ながら、勢いを生み出すための逆転劇には至らなかったが、我々はそれを実現するために懸命に働いている。
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