【移籍】リシャルリソンの状況が“さらに複雑化”──FIFA規定が契約解除とローン移籍の両方を封じる

【移籍】リシャルリソンの状況が“さらに複雑化”──FIFA規定が契約解除とローン移籍の両方を封じる

✓ 契約解除はFIFA規定で極めて困難
✓ ローン移籍は国際枠6名到達で完全不可
✓ ブラジル市場は金曜までで時間切れ迫る

レポート

Football.Londonのアラスデア・ゴールドは、リシャルリソンの移籍状況がFIFA規定によって“さらに複雑化”していると報じた。29歳のブラジル代表FWはプレミアリーグの25名の登録メンバーから外れ、試合に出られない状態となっているが、契約解除もローン移籍も極めて困難で、完全に宙ぶらりんの状況に陥っている。

スパーズはプレミア登録で17名の非ホームグロウン枠を使い切り、デゼルビはリシャルリソンではなく負傷中のシャビ・シモンズを選択した。デゼルビは「リシャルリソンは夏の間ずっと退団を求めていた」と説明しており、クラブと選手の関係は完全に破綻している。

リシャルリソン側は契約解除の可能性を探っているが、FIFA規定(選手の地位と移籍に関する規則)第15条が大きな壁となる。同条は「シーズンの公式戦の10%未満しか出場していない場合、スポーツ上の正当理由による契約解除が可能」と定めているが、解除できるのは“シーズン最終戦から15日以内”のみ。現在はシーズン序盤であり、この条件を満たさないため、契約解除はほぼ不可能となる。

さらに、リシャルリソンが希望する“ヴァスコへのローン移籍”も不可能だ。スパーズは今夏、国際ローン枠6名(ヴィカーリオ、サール、ドラグシン、ソウザ、高井幸大、ヤン・ミンヒョク)を使い切っており、FIFA規定によりこれ以上の国外ローンは認められない。例外は「21歳以下かつクラブ育成選手」のみで、マイキー・ムーアのケルン移籍は枠外だが、リシャルリソンは対象外。

そのため、ヴァスコを含むブラジルのクラブがリシャルリソンを獲得するには“完全移籍”しか選択肢がない。しかし、スパーズとヴァスコの間で正式交渉は現時点で行われておらず、ブラジル市場は金曜で閉まるため、時間はほとんど残されていない。

リシャルリソンは今週のトレーニングではトップチームと合流している姿が確認されており、“完全に隔離されている”わけではない。ただし、プレミア未登録のため試合には出られず、デゼルビの構想外である状況は変わらない。

記事は「契約解除は不可能に近く、ローン移籍も規定で封じられ、完全移籍以外の道がない。残り数日で解決する可能性は低い」と締めくくっている。

記事解説

今回の問題は、単なる“構想外選手の移籍難航”ではなく、FIFA規定が複数の出口を同時に塞いでいる点が特徴だ。まず、契約解除は「シーズン最終戦から15日以内」という厳格な条件があり、シーズン序盤では成立しない。これは選手が序盤の不満で契約を破棄することを防ぐための規定であり、リシャルリソンは完全に該当しない。

次に、ローン移籍は国際枠6名の上限に達しているため、FIFA規定で完全に不可となる。スパーズは今夏の大規模な放出で枠を使い切っており、例外条件にもリシャルリソンは該当しない。つまり、ローン移籍は制度上の理由で“ゼロ%”となる。

残る選択肢は完全移籍のみだが、ヴァスコは財務的に高額移籍金を支払えず、スパーズ側も契約解除で資産を失うことを避けたい。双方の条件が一致しないため、交渉は進んでいない。ブラジル市場が金曜で閉まることを考えると、成立の可能性は極めて低い。

総じて、今回の記事は「制度上の制約が出口を完全に塞いでいる」「選手は構想外で試合に出られない」「クラブは資産価値を守りたい」という三つの要素が絡み合い、リシャルリソンが“最も複雑な移籍状況”に陥っていることを示している。