レポート
ケヴィン・ダンソはサンダーランドへ今季いっぱいのローン移籍で合意に達したとBBCが報じている。
今回のローンには、サンダーランドが状況に応じて完全移籍へ切り替えられる選択肢(買取オプション)が含まれている。スパーズは当初この買取オプション付きのローン移籍を認めておらず、最初の提案を拒否していたが、チェルシーからトシン・アダラビオヨを迎え入れる準備が整ったことで状況が変化し、放出が解禁された。
BBCは「トシン加入がダンソ移籍の障壁を取り除いた」と伝えており、代役確保が今回の取引成立の前提条件だったことが明確になった。
ダンソは2025年1月にランスから期限付きで加入し、その年の夏に2,090万ポンドで完全移籍。右センターバックの主力候補として期待されていたが、今夏は退団の意思を示しており、クラブは代役確保を最優先としていた。今回のローンは、選手の希望とクラブの補強計画が一致した結果であり、サンダーランド側にとっては即戦力の獲得となる。スパーズは完全移籍への切り替え条項を残すことで、将来的な移籍金回収の可能性も確保している。
記事解説
ニューカッスル戦後の記者会見でデゼルビが語った「三人が移籍を望んでいる」という発言は、リシャルリソンの怒りの声明で判明した通り、そのまま受け取るべきではなく懐疑的に向き合う必要がある。
ダンソ自身が移籍を望んだのか、それともクラブが放出を強行したのかは現時点で不明だが、プレシーズンでのパフォーマンスを踏まえると、デゼルビがダンソに対して「三行半」を下した可能性は否定できない。
シドニーでのチェルシー戦では後半から出場した直後に退場処分を受け、プレー面でもデゼルビが重視する最終ラインからのパス供給を得意としているとは言い難かった。開幕戦のブレントフォード戦では相手フォワードのイゴール・チアゴに制空権を握られたことでスパーズは大きく苦しんだが、タイプ的にはダンソがマッチアップすべきセンターバックだった可能性がある。コンディションが万全ではないファンヘッケが連戦で起用されていた状況も、ダンソがすでにデゼルビの信頼を得られていなかったことの証左と言える。
今回のローン移籍は、当初、選手の希望とクラブの判断がどこまで一致していたのかは不透明だが、少なくともデゼルビ体制における序列が大きく低下していたことが背景にあると考えるべきかもしれない。デゼルビが強い人事権を持つことの「負の側面」が、後にチーム内に悪いかたちで影響を及ぼすことがないことを願うばかりだ。

