レポート
スパーズは開幕のブレントフォード戦で3失点を喫し、黒星発進を強いられた。夏の刷新でグリエルモ・ヴィカーリオがユベントスへ完全に去り、アントニン・キンスキーが名実ともに正GKの座を固めたばかりだったが、公式戦デビューとなったこの一戦は苦い内容となった。2失点目の場面ではマティアス・イェンセンのシュートを危険なエリアに弾き返し、ヤンレットの容易な押し込みを許してしまったのだ。今夏に新契約を結んだ直後だっただけに、この出来は物議を醸した。このミスをきっかけに、思いがけない噂が浮上している。
「マルティネスに関心を示すクラブは2つ」
アルゼンチンの人気記者ガストン・エドゥルが伝えたところでは、「マルティネスに関心を示すクラブは2つ、チェルシーとスパーズだ。ヴィラは鈴木彩艶で既に後継者を用意しており、彼を売却する必要に迫られている」という。エミリアーノ・マルティネス本人も売却を容認しているとされ、実際に今夏はユベントス移籍が成立寸前まで進んでいたとも伝えられている。仮にこの移籍が実現していれば、スパーズのグリエルモ・ヴィカーリオがユベントスへ加入する道は閉ざされていたはずだった。最終的にはヴィカーリオがユベントスへのローン移籍を果たしたことで、マルティネスは行き場を失う形になったという。
「スパーズとマルティネスの間にこれまでのところ交渉はない」
一方、これに冷や水を浴びせたのがファブリツィオ・ロマーノだ。ジェイク・サンダースがスパーズにマルティネス獲得の関心はないと報じたのに続き、ロマーノは自身のXで「スパーズとエミリアーノ・マルティネスの間にこれまでのところ交渉はない。チェルシーはこの可能性について内部で協議している」と投稿した。

夏の移籍期限まで残り1週間を切るなか、スパーズは今夏すでにマルティン・ドゥブラフカを新たに迎え入れたばかりで、GK争奪の噂が今後どう転ぶかは見通せない状況だ。
記事解説
今回の一件で目を引くのは、情報源によって内容が真っ向から食い違っている点だ。エドゥルはアルゼンチン代表関連のスクープに定評のある記者だが、プレミアリーグの移籍市場においてはロマーノほどの一次情報網を持つわけではない。今回のような対立では、基本的に裏取りの精度で定評のあるロマーノ側の情報を軸に見るのが妥当だろう。
とはいえ、なぜこのタイミングでマルティネスの名が浮上したのかは理解できる。キンスキーは契約延長直後とはいえ、開幕戦でのミスは正GKとしての信頼感に疑問符を投げかけるものだった。ただしスパーズはこの夏すでにドゥブラフカを獲得してGK層を厚くしている。控えの座を争わせるだけならビッグクラブ経験を持つマルティネスを迎える必然性は薄く、契約したばかりのキンスキーを差し置いてまで正GKの座を争わせる決断に踏み切るとは考えにくい。その意味でロマーノの否定報道の方が筋は通っている。
むしろ注目すべきは、ヴィラが鈴木彩艶の獲得によってマルティネスを放出せざるを得ない状況に置かれている点だ。本人が売却を容認しているとなれば、行き先を探す動き自体は今後も続くだろう。スパーズが最終的に食指を動かすかは未知数だが、移籍期限が迫るなかではチェルシーの方が現実的な受け皿になりそうだ。

