レポート
「出遅れたガラタサライに割って入る」
パペ・マタル・サールを巡る移籍劇が新たな局面を迎えた。8月20日(木)、サールがガラタサライと年俸900万ユーロで個人合意に達したと報じられていた。スパーズはガラタサライの初回オファー1,800万ユーロを拒否し、2,500万ユーロを要求している状態が続いていた。8月25日(火)の時点でも交渉は最終段階にあり、ガラタサライは2,000万ユーロまで増額したと伝えられていた。
しかしガラタサライがスパーズとの合意にまだ至っていないなか、モナコがこの隙を突く形で動き出した。セネガルのメディアTaggatが8月26日(水)、Xで重要な情報を伝えた。
Taggatによれば、23歳のサールはリーグ・アンへの復帰に近づいており、モナコへ1シーズンのローン移籍で合意する見込みだという。買取オプションについての言及はない。
「フィリペ・ルイス監督との対話」
モナコのフィリペ・ルイス監督はサールを高く評価しており、両者はすでに話し合いの場を持っている。この対話が、サールがモナコとの個人合意に応じた決め手になった可能性がある。
「決定権はスパーズに残る」
つまりサールは現時点で、リーグ・アンの強豪とガラタサライの双方と個人合意を成立させている状態にある。あとはこの2クラブがそれぞれスパーズとの合意にこぎ着けるかどうかであり、その段階にはまだ至っていない。
サール自身はガラタサライよりもフィリペ・ルイス監督のモナコを選好しているとされる。しかしスパーズはローン移籍を望んでいない。売却によって得られる資金をロベルト・デゼルビ監督のチーム編成に回せるガラタサライへの放出のほうが、クラブにとって理にかなっている。モナコへのローン移籍は、スパーズにとって財政的な旨味に乏しい。
サールは2030年までの契約を残しており、Transfermarktは市場価値を3,000万ユーロと評価している。今シーズンはここまで37試合に出場し、2,212分をプレーした。
記事解説
この移籍劇の背景には、スパーズの外国人(非ホームグロウン)選手登録枠の事情がある。サールはホームグロウン選手として登録できないことが既に判明しており、非ホームグロウン枠を消費する選手のひとりだ。サヴィオの加入に加えマーモウシュ獲得も視野に入るなか、外国籍の新戦力を迎え入れるほど登録枠の圧迫は強まる。その意味で、行き先がガラタサライかモナコかを問わず、サールの放出自体は既定路線に近いとみていい。
ただし、放出の形をローンにするか完全移籍にするかは、単純な資金回収の話にとどまらない。サールは今季ここまでスパーズでの出番が限られ、ブレントフォード戦のメンバー入りも見送られるなど、実力を発揮しきれていない。裏を返せば、彼の市場価値はまだ伸びしろを残した状態にあるとも言える。
その観点に立てば、記事が指摘する「モナコへのローンは財政的な旨味に乏しい」という見立てはやや一面的だ。フィリペ・ルイス監督のもとで出場機会を確保し活躍すれば、サールの評価額はむしろ押し上がる。目先の売却益を得られなくても、将来的な評価額の上積みという形でクラブに還元される可能性がある以上、ローンという選択肢はスパーズにとっても十分に検討に値する。

