レポート
「まだオファーなし」──サール放出のカギはトレイラ
トッテナムのスポーティングディレクター、ヨハン・ランゲは、9月1日(火)午後11時に締め切られる移籍市場の最終週で、4つの案件を優先すべき立場にある。football.londonによれば、その1つ目がパペ・マタル・サールの放出だ。今夏はサンドロ・トナーリ、マテウス・フェルナンデスらが加入したことで中盤の競争が激化しており、サールが今シーズン十分な出場機会を得るのは難しい情勢にある。
ガラタサライはサールを獲得候補リストに加えたが、正式なオファーはまだ提出していないという。交渉の行方はガラタサライ側の事情にも左右される。同クラブでは同じMFのルーカス・トレイラの去就が不透明で、放出によって生まれる資金がサール獲得の原資になるとみられる。またガラタサライはウイングの補強も進めており、イスマイラ・サールにも強い関心を示している。
タイミングの面では、トルコの移籍市場はイングランドより数日長く、9月4日まで開いている。イングランドの締め切り(9月1日)を過ぎても、ガラタサライ側の事情が整えば交渉が続く余地があるということだ。
「攻撃陣を完成させることが目標だ」──デゼルビの要望
トッテナムはここまでの夏で、DF3人、MF2人、GK1人を獲得し、支出は約2億4,000万ポンドに達している。一方でウイングやストライカーの補強にはまだ手をつけられていない。ロベルト・デゼルビは7月末の時点で、攻撃陣の強化に向けた意欲をすでに語っていた。
「攻撃陣を完成させることが目標だ」とデゼルビ。オーナーやボードとも話し合いを重ねており、今シーズンの強いチームづくりと同時に、将来に向けた土台を築くためにも、あと数人の重要な補強が必要だと説明している。
サヴィーニョとマーモウシュ、”約1億3,000万ポンド”の二枚看板
2つ目・3つ目の優先事項は、マンチェスター・シティのサヴィーニョとオマル・マーモウシュの獲得完了だ。両クラブ間の交渉は進展しており、合計で約1億3,000万ポンドの規模になるという。サヴィーニョは右サイドに新しい選択肢をもたらし、マーモウシュは左サイドおよび最前線をカバーできる存在になるとみられている。
サヴィーニョへの関心は以前から続いており、プレシーズンのニュージーランド・オーストラリア遠征中にも合意への期待があったという。マーモウシュについても、デゼルビが以前から高く評価している。
最後の的はガクポ、鍵は資金と代役
4つ目の優先事項として挙げられているのが、リバプールのコディ・ガクポだ。左サイドでも最前線でもプレー可能な選手で、プレーメーカー型というよりインサイドフォワード的な特徴を持つとされる。トッテナムはガクポ獲得に関心を持っているが、リバプールを説得するにはまとまった移籍金が必要になる可能性が高い。リバプール側もガクポを放出するなら、残り少ない期間内に代役を確保する必要があるという事情を抱えている。
記事解説
この記事が示す構図で興味深いのは、4つの優先事項の”確度”に大きな差があることだ。サヴィーニョとマーモウシュの2件は交渉が進展中とされ、実質的にはランゲの仕事の中でも実現に近い部類に入る。一方でガクポは「予算が残れば」という条件付きの案件であり、リバプール側の代役確保という他クラブの事情にも左右される、より不確実性の高い話だ。
サールの放出も同様に、トッテナム側の意向だけでは完結しない。ガラタサライがトレイラの放出やイスマイラ・サールの獲得という自分たち自身の懐事情を抱えている以上、サール移籍の成否はガラタサライの”玉突き”がどう進むかに左右される。トルコの移籍市場がイングランドより3日長い9月4日まで開いている点は、この交渉に猶予を与える材料になりそうだ。

