レポート
「時間はかかったが、来られてとても嬉しい」──本人が加入決定にコメント
トッテナムは、マンチェスター・シティからサヴィオの加入を正式に発表した。契約期間や移籍金など詳細は公式発表では明かされていない。サヴィオは加入にあたり「時間はかかったが、来られてとても嬉しい」とコメント。世界屈指の指揮官が率いる素晴らしいクラブへの加入だと喜びを語り、デゼルビと話した瞬間に加入を決意したと明かした。
ランゲ「間違いなくサポーターを興奮させる」──獲得の経緯を語る
スポーティング・ディレクターのヨハン・ランゲは、サヴィオを以前から注視してきた選手だと説明し、加入決定を歓迎するコメントを寄せた。能力・プレースタイル・メンタリティのいずれも、現在構築中のスカッドに合致すると評価し、「間違いなくサポーターを興奮させる」と期待を語った。

デゼルビ「創造性でゲームを変える力を持っている」
指揮官のロベルト・デゼルビは、サヴィオについてワイドの位置でエネルギー・発想力・質をもたらす選手だと紹介した。守備者に向かっていく勇気と、「創造性でゲームを変える力」を兼ね備えていると評価し、指導を通じてさらなる成長を後押ししたいと意欲を示した。
ラ・リーガ最多104本のドリブル──ジローナ時代の”大ブレイク”
サヴィオはブラジル・サンマテウス出身、22歳のブラジル代表MF。アトレティコ・ミネイロの下部組織に加入し、2020年8月、16歳でプロデビューを果たした。2年目にはクラブがブラジル国内3冠を達成する歴史的シーズンに貢献し、トップチームでは35試合に出場して2ゴールを記録した。
その後フランスに渡りトロワと契約。2022/23シーズンにはPSVエインドホーフェンへローン移籍した。翌2023/24シーズンには2度目のローン移籍でジローナへ加わり、大ブレイクを果たす。このシーズン、サヴィオはラ・リーガで104回のドリブルを成功させ、これは2位の選手を18回も上回るリーグ最多の数字だった。ジローナはこのシーズン、クラブ史上最高となるリーグ3位でフィニッシュし、史上初めてチャンピオンズリーグ出場権を獲得。サヴィオはローン期間を41試合11ゴールで終えた。
マンチェスター・シティでの2年間とブラジル代表──84試合7ゴール、カップ2冠に貢献
2024年7月、サヴィオはマンチェスター・シティへ加入。翌8月のFAコミュニティシールドでデビューし、まもなくプレミアリーグでもデビューを果たした。2025年1月には自身初のチャンピオンズリーグゴールを記録している。マンチェスター・シティでは通算84試合に出場して7ゴールを挙げ、今年カラバオカップとFAカップの国内カップ2冠を達成したチームの一員となった。
代表では若年層の複数カテゴリーを経て、2024年3月にブラジル代表デビューを果たした。同月、ウェンブリー・スタジアムで行われたイングランド戦(1-0で勝利)が初出場となった。同年のコパ・アメリカにも出場し、これまでにブラジル代表で13試合1ゴールを記録している。
記事解説
サヴィオの正式加入により、今夏一年以上にわたって断続的に報じられてきた移籍交渉がようやく決着した。8月中旬には口頭合意、8月21日にはメディカル実施と移籍金内訳(マーモウシュとの合計で1億3,000万〜1億5,000万ポンド規模とされるパッケージの一部、サヴィオ単体では8,500万ポンド前後)が伝えられており、公式発表はその集大成と言える。マンチェスター・シティ側もアラン獲得で代替補強のめどが立ったことが、今回のタイミングでの合意を後押ししたとみられる。
なお、交渉段階では本サイトで「サヴィーニョ」という表記が使われてきたが、加入決定にあたりトッテナム公式サイトが用いた表記は「Sávio(サヴィオ)」だった。本記事以降、この選手の表記は公式サイトに準拠して「サヴィオ」に統一する。
ポジション面では、既にクドゥス、ソランケ、リシャルリソンを抱えるアタッキングサードに、さらにサヴィオ、そして加入間近と報じられるマーモウシュが加わることになり、ワイドとセンターフォワードの層は一気に厚みを増す。デゼルビが志向するのは、ワイドから内側へ絞り込む発想力のある選手を活かした崩しであり、ジローナ時代に見せた突破力とマンチェスター・シティで培ったポジショナルプレーへの適応力は、この戦術との相性が良いはずだ。一方で、出場機会を巡る競争は激化する。ウイングでの起用が見込まれるサール、テルにガラタサライが接触しているという最近の報道は、こうした選手層の再編と無関係ではないだろう。
もう一つ注目したいのが、ジローナ時代とマンチェスター・シティ時代でのプレー内容の違いだ。ジローナでは突破・仕掛けの局面を数多く任される”点の取れるドリブラー”だったのに対し、マンチェスター・シティの2年間は84試合で7ゴールにとどまり、突破力を活かしつつもポジショナルプレーの一部品として機能する側面が強かった。デゼルビのもとでどちらの色が前面に出るかが、加入後の評価を左右する鍵になりそうだ。

