レポート
移籍期限まで残りわずかとなった中、トッテナムが夏の補強を本格化させている。サヴィーニョがマンチェスター・シティから8,500万ポンドで完全移籍することで両クラブが合意し、正式発表を待つ段階に入った。さらにシティのFWオマル・マーモウシュの加入も目前に迫っている。
2人の加入が実現すれば、今夏の補強総額は3億7,200万ポンドに達する見込みで、トッテナムにとって単一の移籍期間としては過去最高額になるという。このタイミングで、マーモウシュの数字がドミニク・ソランケ、リシャルリソンとどう比較されるかが焦点になっている。3人はいずれも通算200試合以上に出場し、50ゴール以上を記録した経験を持つ実績十分のFWだ。
通算成績はソランケが首位、マーモウシュは2位につける
通算成績で最多ゴールを記録しているのはソランケで、育成年代を含む389試合で147ゴールを挙げている。マーモウシュは279試合で87ゴール、リシャルリソンは276試合で75ゴールと続く。ソランケが試合数で他の2人を大きく上回っている点を踏まえれば、この結果自体は驚くにあたらない。
アシスト数も僅差ながらソランケが首位で、43アシストを記録。次ぐマーモウシュが38アシストで、リシャルリソンは31アシストにとどまる。
| 選手 | 試合 | ゴール | アシスト |
|---|---|---|---|
| ドミニク・ソランケ | 389 | 147 | 43 |
| オマル・マーモウシュ | 279 | 87 | 38 |
| リシャルリソン | 276 | 75 | 31 |
デゼルビが求めるCFには、ゴールとアシストの両方で貢献できる能力が欠かせない。デゼルビは最前線の選手に対し、ポジションを離れてのリンクプレーや、守備ラインを間延びさせる動きを頻繁に求めてきた。マーモウシュはセンターフォワードだけでなく、右ウイング、左ウイング、セカンドストライカー、攻撃的MFなど複数ポジションをこなせる万能さを備えている。リシャルリソンも同様に複数ポジションに対応できる一方、ソランケの器用さはそこまで高くないとされる。
プレミアでは47試合15ゴールのリシャルリソンが最多
マーモウシュが24/25シーズンにプレミアリーグへ加入して以降の成績を見ると、3人の差は縮まる。マーモウシュはこの間、37試合で10ゴール5アシストを記録。同じ期間でソランケは42試合12ゴール3アシスト、リシャルリソンは47試合15ゴール5アシストと、3人の中では最多の成績を残している。
| 選手 | プレミア出場 | ゴール | アシスト |
|---|---|---|---|
| オマル・マーモウシュ | 37 | 10 | 5 |
| ドミニク・ソランケ | 42 | 12 | 3 |
| リシャルリソン | 47 | 15 | 5 |
マーモウシュの最高到達点は24/25シーズンの45ゴール関与
一方、各選手の”最高到達点”に目を向けると様相は一変する。マーモウシュは波に乗ると世界屈指のFWになり得ることを過去に証明済みだ。自己最高のシーズンは24/25で、全公式戦51試合に出場し28ゴール17アシスト、合計45ゴール関与という数字を記録した。
ソランケの自己最高シーズンは23/24で、42試合で25ゴール関与。ただしチャンピオンシップに在籍していた21/22シーズンには48試合30ゴール7アシストと、さらに高い数字を残した年もある。リシャルリソンの自己最高シーズンは19/20で、36試合13ゴール4アシストにとどまる。
| 選手 | シーズン | 出場 | ゴール | アシスト | ゴール関与 |
|---|---|---|---|---|---|
| オマル・マーモウシュ | 24/25 | 51 | 28 | 17 | 45 |
| ドミニク・ソランケ | 23/24 | 42 | 21 | 4 | 25 |
| ドミニク・ソランケ | 21/22 | 48 | 30 | 7 | 37 |
| リシャルリソン | 19/20 | 36 | 13 | 4 | 17 |
記事解説
記事が示す通算成績の差は、キャリアの長さの違いによるところが大きい。ソランケの389試合という数字は、マーモウシュの279試合、リシャルリソンの276試合を大きく上回る。単純な通算ゴール数だけでマーモウシュの実力を測るのは早計だろう。
マーモウシュの移籍については、記事の時点では「加入が目前」というやや漠然とした表現にとどまっていたが、その後の続報でスパーズ側は5,000万ポンドの買取義務付きローンという形で合意に近づいていることが伝わっている。ファブリツィオ・ロマーノも加入の確度が高まったと報じており、正式合意は時間の問題とみられる。
最も注目すべきは「自己最高到達点」の比較だろう。マーモウシュが24/25シーズンに記録した45ゴール関与は、ソランケの最高値(21/22シーズン、チャンピオンシップでの37)やリシャルリソンの最高値(17)を大きく上回る。プレミアの舞台でこれに近い数字を出せるかは未知数だが、絶対的な上限の高さは3人の中で際立っている。
すでに開幕のブレントフォード戦ではリシャルリソンが精彩を欠き、ソランケがCFの座を争う好機になっているとの見方も出ている。マーモウシュが正式加入すれば、この序列争いはさらに複雑になる。デゼルビが今後どうロテーションを組むかが、シーズン序盤の見どころになりそうだ。

