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【開幕】デゼルビ「まだチームではない」──ゴールド記者:未完成スパーズが露呈した“構造的な遅れ”と補強の急務

【開幕】デゼルビ「まだチームではない」──ゴールド記者:未完成スパーズが露呈した“構造的な遅れ”と補強の急務

✔ ブレントフォードに0-3完敗、開幕戦で“未完成”が露呈
✔ 若手起用と新加入の同時投入で連携不足が深刻化
✔ デゼルビ「まだチームではない」──構造的な遅れを認める

レポート

開幕戦で0-3、スパーズは“準備不足”のままプレミアへ突入

トッテナムは2026/27シーズン開幕戦、ブレントフォードとのアウェイゲームで0-3の完敗を喫した。試合開始直後からブレントフォードの強度とテンポに押し込まれ、スパーズは一度も試合の主導権を握れなかった。デゼルビ体制の新プロジェクトは、初戦から厳しい現実を突きつけられる形となり、プレミアリーグの強度に対して準備不足であることが露呈した。

ブレントフォードは序盤から前線の圧力を強め、セカンドボールの回収、デュエルの勝率、プレッシングの連動性など、あらゆる局面でスパーズを上回った。シュート数は26対9と大差がつき、スパーズの4本の枠内シュートはいずれも決定機とは言い難い内容だった。特に前半は、スパーズが自陣から一度も安定して前進できない時間帯が続き、攻撃の形を作る前にブレントフォードの圧力に押し戻される展開が繰り返された。

若手と新加入の同時起用が連携不足を招く

この日のスパーズは、ルーカス・ベリヴァル(2006年生)、マイキー・ムーア(2007年生)という若手を複数起用し、さらにロバートソン、セネシ、ファンヘッケという新加入3名を同時に最終ラインへ配置した。結果として、守備の連動性はほぼ機能せず、3失点はいずれも“連携不足”が原因だった。ブレントフォードの攻撃は複雑ではなかったが、スパーズ側の連携ミスが積み重なり、相手にとっては容易な得点機会となった。

ベリヴァルは判断ミスから失点に直結する場面があり、ムーアは3度の決定機を迎えながらフィニッシュ精度の未熟さが露呈した。デゼルビは「若手のミスは成長過程」と擁護しつつも、開幕戦での同時起用がリスクだったことを認めている。特にムーアは後半に3度の決定機を迎えたが、いずれもシュートの選択と力加減が不十分で、プレミアの強度に慣れていないことが明確に表れた。

中盤はトナーリが迷走、フェルナンデス投入で改善

中盤では、トナーリがベリヴァルとの連携に苦しみ、プレッシングのタイミングや立ち位置が噛み合わなかった。ブレントフォードは中盤のズレを徹底的に突き、トナーリの背後を起点に攻撃を組み立てた。後半からフェルナンデスとベンタンクールが投入されると構造が安定し、トナーリのプレーも改善。ベンタンクールの復帰は今後のチーム構築に不可欠であり、彼の存在が中盤の強度と安定性を大きく左右することが改めて示された。

フェルナンデスは投入直後から中盤のバランスを整え、前線への供給と守備の切り替えをスムーズに行った。デゼルビは試合後、「フェルナンデスは今後外せない選手になる」と述べており、開幕戦の敗戦の中でも数少ない収穫となった。

攻撃陣は“戦力不足”が深刻──補強の必要性が明確に

前線はクルゼフスキ、シャビ・シモンズ、オドベールが負傷離脱中で、マディソンとソランケもコンディション不足。攻撃の推進力はほぼ皆無で、デゼルビの攻撃モデルを体現できる選手が揃っていなかった。特に前半は、前線がボールを収められず、相手のプレッシングを受けるたびに攻撃が寸断される展開が続いた。

そのため、サヴィーニョとマーモウシュの加入は“即効性のある補強”として期待されている。サヴィーニョは縦への推進力とドリブル突破、マーモウシュは裏抜けとフィニッシュの質が強みで、いずれもデゼルビの攻撃モデルに適合する。さらに、ガクポ獲得の可能性も残っており、前線の刷新はここから本格化する。開幕戦の敗戦は痛手だが、補強の方向性が明確になったという意味では、クラブにとって重要な“判断材料”となった。

記事解説

今回の0-3敗戦は、単なる「準備不足」ではなく、スパーズが抱える構造的な問題を浮き彫りにした。特に顕著だったのは、デゼルビが求める“チームとしての一体感”がまったく形成されていなかった点だ。彼は試合後、「まだチームではない」と明言したが、この言葉は戦術理解やフィジカルの問題以上に、選手構成そのものが未完成であることを示している。

スパーズは今夏、守備と中盤の再構築に大きな投資を行った結果、前線の補強が後ろ倒しになった。ブレントフォード戦で露呈した攻撃陣の脆弱さは、単なる選手の不在ではなく、補強の優先順位がズレたことによる“構造的な遅れ”だったと言える。デゼルビの攻撃モデルは前線の走力・強度・連動性を前提としているため、前線が揃わない限り戦術の全体像は機能しない。

また、若手と新加入を同時に起用したことで、チームの“経験値の分布”が極端に偏った。ベリヴァルやムーアは将来性が高いが、プレミア開幕戦の強度に耐えられる段階ではない。逆に、ロバートソンやセネシは経験豊富だが、スパーズの戦術理解が浅い。結果として、チーム全体が「経験不足」と「戦術理解不足」の両方を抱えたまま試合に臨むことになった。

この構造的な遅れを解消するためには、単なる補強ではなく“選手構成の再設計”が必要となる。サヴィーニョとマーモウシュの加入はその第一歩であり、前線の役割分担が明確になることで、デゼルビの攻撃モデルがようやく機能し始める。さらに、ガクポ獲得の可能性が残っていることは、前線の完成度を一段階引き上げる要素となる。

総じて、今回の敗戦は「未完成の寄せ集め」だったスパーズが、ようやく“チームとしての形”を作り始めるための起点となる。補強と復帰が揃ったとき、デゼルビのモデルは一気に立ち上がる可能性が高い。開幕戦の敗戦は痛手だが、構造的な問題が明確になったことで、クラブは次の一手を打ちやすくなったと言える。