レポート
ロベルト・デゼルビは、新キャプテンにセンターバックのミッキー・ファンデフェンを指名し、多くのファンを驚かせた。クリスティアン・ロメロのキャプテン時代への不満が残る中で迎える新体制であり、ファンデフェンはリーダーとしての実力を示す責任を背負うことになった。ただし、その責任を果たす機会は開幕節から早くも奪われた。
「その男は、ピッチにすら立てなかった」
2026/27シーズン開幕節、ファンデフェンは出場できなかった。トッテナムはアウェイのブレントフォード戦で0-3の完敗を喫した。
ファンデフェンとオランダ代表でチームメイトのヤン・ポール・ファンヘッケが、トッテナムでのデビュー戦で精彩を欠いた。ただし、責任を負うべきは彼だけではない。前半は守備陣全体が機能不全に陥り、後半に入ってアンディ・ロバートソンとマルコス・セネシが持ち直し、中盤の組み立ても改善したことでようやく落ち着きを取り戻した。
「新体制はまだ発展途上」
ピッチ上にまとまりはなかった。夏に新戦力が加わり、デゼルビのもとで異なる哲学を植え付けている最中のチームであることを差し引いても、これほどちぐはぐな内容だったことは衝撃的だった。
「唯一の勝者」は欠場した男
個々を見れば決して悪くなかった選手もいたが、0-3の敗戦はチーム全体の責任である。だからこそ、本当の意味での勝者は、その場に一切関与しなかったキャプテンだけだったと言える。
ファンデフェンは、来週末の第2節ニューカッスル戦には復帰できる見通しだ。相手として申し分のない好敵手であり、自らがチームを改善させる存在であること、そしてデゼルビから託された役割にふさわしい男であることを示す絶好の機会になる。
記事解説
記事は、ファンデフェン不在のチームが崩壊した顛末を「キャプテンとしての存在感」という物語で締めくくっている。だが、なぜこれほどまでに守備が崩れたのか、具体的な要因までは踏み込んでいない。
他媒体の採点記事を補って見ると、崩壊の実像がより鮮明になる。ファンヘッケは空中戦を6回中4回落とし、記事の言葉通り「デビューで精彩を欠いた」内容を数字が裏付けている。セネシも相手との距離を詰めきれず、スピード面で後手を踏んでいたと評されている。この試合でブレントフォードの最前線を張ったのはイゴール・チアゴであり、ファンヘッケが苦しめられた空中戦の相手も主に彼だったと見るのが自然だろう。
ここに、ファンデフェン不在の本当の重みがある。彼の持ち味はまさにフィジカルの強さとスピードであり、この試合でブレントフォードに制空権を握られた背景には、その特性を持つ選手がピッチにいなかったという単純な事実がある。「唯一の勝者」という記事の皮肉な表現は、単なる巡り合わせの妙として片付けるべきではない。守備構造そのものが、彼の不在によって直接的な弱点をさらけ出した結果と見るべきだろう。
空中戦への耐性という観点だけで見れば、選択肢はファンデフェンの復帰を待つことだけではなかったはずだ。ケビン・ダンソも、フィジカルと空中戦の強さを持ち味とするセンターバックである。ブレントフォードの最前線にイゴール・チアゴという明確な空中戦の脅威が控えていた以上、対戦相手の特性に応じてダンソを起用する選択肢もあり得た。ファンヘッケとセネシという組み合わせを選んだデゼルビの采配には、疑問符が付く。

