レポート
開幕戦はまさかの0-3完敗、サンガレとカヨーデがスパーズを苦しめる
スパーズはプレミアリーグ開幕戦で敵地ブレントフォードに0-3で完敗した。夏の新加入6選手のうち、サンドロ・トナーリ、ヤン・ポール・ファンヘッケ、アンディ・ロバートソン、マルコス・セネシの4人が公式戦デビューを果たしてスタメン起用され、マテウス・フェルナンデスとマルティン・ドゥブラフカもベンチ入りした。デゼルビ監督は試合前、負傷者の影響で前線の選択肢が不足していることを認めており、マンチェスター・シティのサヴィーニョとオマル・マーモウシュの獲得交渉が数日以内に前進する見通しであることも明かしていた。この日はコナー・ギャラガーがマイキー・ムーアとマティス・テルの間で10番的な役割に入り、リシャルリソンが1トップを務めた。
アーチー・グレイは20歳163日で公式戦のキャプテンを務め、スティーブ・ペリーマンが持つ20歳260日の記録を更新し、クラブ史上最年少キャプテンとなった。試合は12分、ママドゥ・サンガレが広いスペースでボックス内へ持ち込み、さらに広がった位置のキーン・ルイス=ポッターへ預けて先制を許す形で動いた。2点目はヴィタリー・ヤネルトが記録。リシャルリソンの拙いポストプレーからボールを失うと、続くルーカス・ベリヴァルの弱いプレーでマティアス・イェンセンにボールを渡してしまい、アントニン・キンスキーが弾いたシュートがそのままヤネルトの元へ転がり押し込まれた。デゼルビ監督は後半開始からベリヴァルとギャラガーに代えてフェルナンデスとロドリゴ・ベンタンクールを投入したが、その4分後には早くも3点目を許した。キンスキーが好セーブを見せたもののこぼれ球にマイケル・カヨーデが詰めて押し込んだ形だった。その後、ベンタンクールがケヴィン・シャーデを倒してPKを与える場面もあったが、イゴール・チアゴのキックはポストに当たり難を逃れている。反撃の糸口はつかめず、ブレントフォードがGtechコミュニティ・スタジアムでスパーズから史上初勝利を挙げた。
選手採点(先発)
キンスキー(5):ルイス=ポッターの先制点は防ぎようがなかったが、2点目はイェンセンのシュートをそのままヤネルトの元へ弾いてしまった。サンガレのシュートには好セーブを見せたもののこぼれ球への対応で3点目を許す。終盤にはアイェルのシュートを止める場面もあった。
グレイ(4):クラブ史上最年少キャプテン。ルイス=ポッターに自身とファンヘッケの間を突かれて先制点を許した。20歳にとって厳しい一日となったが、守備面で光る場面もいくつかあった。
ファンヘッケ(4):前半は個の勝負で後手に回る場面が目立ち、セネシとの連係もまるで試合当日の朝に初めて顔を合わせたかのように噛み合わなかった。
セネシ(4):試合のペースに慣れるまで時間がかかり、動きが重く見える場面も。実戦から離れていた影響が他の選手より色濃く出たが、終盤は持ち直した。
ロバートソン(5):目立った活躍とまでは言えないが、スパーズの守備陣では最も安定していた。ブレントフォードの早い時間帯のFKを自陣ゴール上へヘディングでクリア。後半にはムーアへ決定機となる好クロスを供給した。
ベリヴァル(3):サンガレに簡単にボックス内への侵入を許し、先制点につながった。2点目の場面でも仕掛けられたドリブルに軽く対応してボールを失い、パスも精度を欠いた。ハーフタイムで交代となったのも致し方ない内容だった。
トナーリ(5):前半はペースに乗れず、ハーフタイム間際のシュートは大きく枠を外した。後半はフェルナンデスやベンタンクールが周囲に加わったことで持ち直した。
ムーア(4):前半はほとんどボールに触れられなかったが、3失点目の直後に決定機を2度迎え、いずれもケレハー正面を突いてしまう。3度目もケレハーの好セーブに阻まれた。決定機を1つでも決めていれば流れは変わっていたかもしれない。試合終了20分前にマディソンと交代した。
ギャラガー(3):序盤に狙ったシュートは大きく枠を外れ、それ以外に目立った関与はなし。10番の位置に入りながら攻撃の起点にはなれなかった。
テル(4):前半は前線3人の中で唯一何かを起こしそうな気配を見せたが、形にはできなかった。後半は右サイドに回り、いくつか狙ったが実らなかった。
リシャルリソン(3):2失点目につながる場面でボールを失うなど、この日を象徴する出来だった。周囲のサポートに恵まれなかった面もあるが、自身の出来も上がらなかった。3失点目のカヨーデへの対応も遅れた。
交代出場
フェルナンデス(6):ベンチから躍動し、今後の持ち味を予感させた。
ベンタンクール(5):シャーデへの反則でPKを献上したが、中盤により多くの制御が必要だとチームに知らしめる内容も見せた。
マディソン(4):公式戦の先発から16カ月遠ざかり、プレシーズンでも45分しかプレーしていない選手らしい出来。
ソランケ(4):同様に実戦感覚が戻っておらず、ボールに絡む場面は少なかった。
終盤にグレイと交代したウドギは採点対象外。
記事解説
グレイの最年少キャプテン記録は、前日発表されたキャプテン人事と地続きの出来事だ。本サイトで既報の通り、ファンデフェンとポロはこの開幕戦を欠場しており、5人のリーダー陣のうち出場可能な最上位者としてグレイに腕章が回ってきた。デゼルビが単独キャプテンではなく5人の集団リーダー制を敷いていた狙いは、まさにこうした欠場時の継承をスムーズにする点にもあったはずで、その仕組みが開幕戦から早速機能した格好だ。ただし20歳の若者に記録づくしの重責と苦しい試合展開が同時に降りかかった点は、手放しでは喜べない側面でもある。
今回の敗戦で浮き彫りになったのは、大型補強を一気に迎え入れたことによる連係面の課題だ。ファンヘッケとセネシの新センターバック・コンビは、まるで試合当日の朝に初めて顔を合わせたかのように噛み合わず、トナーリも前半は精彩を欠いた。個々の実力自体への疑問というより、複数の新戦力を同時にスタメンへ組み込んだことによる慣らし運転の代償と見るのが妥当だろう。
前線の薄さも深刻だ。ギャラガーが不慣れな10番でプレーし、リシャルリソンが孤立気味に1トップを務めた背景には、サヴィーニョとマーモウシュの獲得が開幕戦に間に合わなかった事情がある。本サイトの別記事で報じている通り、マーモウシュの個人合意は既に成立し、獲得は目前の段階まで来ている。今回の完敗は、この2人の新戦力がいかに早くピッチに立てるかが今後の巻き返しを左右することを、開幕戦の結果という形で改めて突きつけたと言える。
本サイトで既報の通り、開幕前にはOptaのスーパーコンピューターがスパーズを今シーズン7位、優勝確率2.5%と予測していた。38試合ある中の1敗にすぎず、この結果だけでシーズン全体を占うのは早計だが、統計モデルが指摘していた「主力に故障者が出た際の層の薄さ」という不安要素が、まさに開幕戦で現実になった格好とは言える。グレイの最年少キャプテン就任という明るい話題と、大敗という厳しい現実が同じ日に同居した開幕戦だったが、次節までにファンデフェンとポロが復帰し、サヴィーニョとマーモウシュが合流できるかどうかで、この結果の受け止め方は大きく変わってくるはずだ。
投稿元:Tottenham player ratings vs Brentford – Bergvall, Gallagher and Richarlison weak and Moore wasteful

