レポート
レッドナップ「寄せ集め集団のようだった」
開幕戦のブレントフォード戦後、Sky Sportsの解説を務めたジェイミー・レッドナップ氏は新布陣について「寄せ集め集団のようだった」と酷評した。ファンヘッケとセネシの新センターバックコンビにはまだ連係の蓄積がなく、チーム全体としてデュエルでも終始劣勢だったと指摘している。
さらに「スタメンを見た時点で、正直このチームの構成があまり好きではなかった」と率直に語り、中盤の10番でギャラガーを起用したことにも疑問を呈した。「創造性がどこから生まれるのか分からなかった」と述べつつも、6週間後には同じチームではなくなっているはずだとの希望も付け加えている。「がっかりする要素が多すぎた。試合に勝つために必要な基本的なことを、今日は何一つできていなかった」とも語った。
「魂とプレースタイル」——デゼルビが掲げるチーム化の2条件
デゼルビ監督自身も、チームとして機能するために必要な条件を明確に言語化している。「チームになるためには、私の考えでは2つの大きな条件がある。魂とプレースタイルの質だ。今日はそのどちらも示せなかった」と試合後に説明した。「この2つの条件がそろえば、我々はどんな相手にとっても脅威になれると思う」とも述べ、現状はまだそこに到達していないという認識を示した。
「この条件に達するまでは、我々は苦しむ必要がある。今日の敗戦は、むしろ我々にとって重要なものだったと思う。想定していたより厳しい現実に、目を覚まさせてくれたかもしれない」と、この日の完敗を前向きに位置づけた。中2日で迎えるカラバオカップ2回戦のチャールトン戦、続くニューカッスル戦についても「たとえ水曜日や次の土曜日に勝てたとしても、チームになるにはまだ時間が必要だ」と釘を刺している。
記事解説
レッドナップの批判とデゼルビ自身の分析は、実は同じ問題の裏表を指しているように見える。デゼルビの言う「プレースタイルの質」とは、平たく言えばポジション間の連係やビルドアップの型を指すはずで、それが機能しない最大の要因のひとつが、レッドナップの指摘するギャラガーの10番起用だった可能性は高い。ギャラガーはどちらかと言えばボックス・トゥ・ボックス型のインサイドハーフであり、デゼルビが志向するポジショナルな組み立てフットボールに不可欠な「タテとヨコをつなぐ純粋な司令塔」の資質とは、そもそも噛み合わない。
もう一方の「魂」については、より情緒的で測りにくい要素だが、デュエルへの姿勢や球際の激しさ、ピッチ上での意思疎通といった、練習だけでは短期間に身につかない部分を指しているとみるのが自然だ。センターバックの新コンビに連係の蓄積がないというレッドナップの指摘は、まさにこの「魂」が生まれる前提となる信頼関係が、まだチーム内に存在していないことの裏返しとも言える。
興味深いのは、デゼルビが「たとえ次の2試合に勝ってもチームになるには時間が必要」とあらかじめ予防線を張っている点だ。これは、目先の結果だけで評価が揺れ動きやすい外部の論調(レッドナップのような即時の酷評も含む)に対し、自らのプロジェクトの時間軸を守ろうとする意図的なメッセージだろう。ただし、この”時間をくれ”という論理がどこまで説得力を持つかは、今後の勝敗次第で評価が変わってくる性質のものであり、無条件に受け入れられる猶予ではない点には留意が必要だ。

