レポート
ブレントフォードに0-3、開幕戦で痛恨の黒星
トッテナムはプレミアリーグ2026/27シーズンの開幕戦、ブレントフォードとのアウェイゲーム(Gtechスタジアム)で0-3の完敗を喫した。前半にキーン・ルイス・ポッターとヴィタリー・ヤネルトが得点し、後半開始早々にはマイケル・カヨデが至近距離から押し込んで3点目を追加。ブレントフォードの新加入選手ママドゥ・サンガレはマン・オブ・ザ・マッチに選ばれる活躍を見せ、デゼルビ監督率いる新体制のトッテナムはキース・アンドリュース率いるブレントフォードのインテンシティに終始対応できなかった。
プレミア時代で2度目の”開幕戦0-3″
今回の敗戦は、プレミアリーグ発足以降でトッテナムがリーグ開幕戦を0-3の敗戦で迎えるのは2度目だという。1度目は2011/12シーズン、アウェイでのマンチェスター・ユナイテッド戦だった。当時はアレックス・ファーガソン監督率いるユナイテッドが後半にダニー・ウェルベック、アンデルソン、ウェイン・ルーニーのゴールで3点を奪い、ハリー・レドナップ監督率いるトッテナムを退けている。あの試合の前後には、ルカ・モドリッチの退団をめぐる噂がチームを揺さぶっていたことも伝えられている。
「デゼルビが得るものは、正直何もない」
結局モドリッチはその夏に残留し、トッテナムはユナイテナイテッド戦の黒星発進から立て直しに成功したシーズンとして記憶されている。次戦のマンチェスター・シティ戦では1-5と再び大敗したものの、その後ブラッド・フリーデルがゴールを守り、モドリッチとラファエル・ファンデルファールトが中盤を操り、ガレス・ベイルが台頭。マンチェスター・シティからのローン加入だったエマニュエル・アデバヨールがプレミアリーグで17ゴールを挙げるなどして、最終的にリーグ4位でシーズンを終えた。
もっとも、その年はチェルシーがチャンピオンズリーグで優勝したことで欧州の出場枠が実質的に埋まり、4位ながらチャンピオンズリーグ出場は叶わなかったという顛末もある。今回の記事の書き手はこの符合について「デゼルビが得るものは、正直何もない」と自嘲気味に述べつつも、開幕戦の躓きが即座にシーズン全体の失敗を意味するわけではないと結んでいる。
記事解説
2011/12シーズンとの数字上の一致は興味深いが、当然ながら偶然の域を出ない話であり、今季の巻き返しを保証するものではない。むしろ注目すべきは、今回の完敗の背景にある構造的な事情だ。同じ試合について既報の通り、デゼルビ監督自身が守備ラインと中盤の主力をまとめて入れ替えた状態で開幕を迎えたことを認めており、フェルナンデスとベンタンクールが同時にコンディション不良で欠場する中、経験の浅い組み合わせで臨まざるを得なかった。今回の記事が指摘する「攻撃面の課題」も、クルゼフスキ、オドベール、シャビ・シモンズという主力アタッカー3人がいずれも負傷離脱中という、今週すでに判明している事情と直接つながっている。
つまり今回の敗戦は、ゲン担ぎで片づけられるような偶然の産物というより、開幕時点で戦力が出揃っていなかったことの当然の結果だったと見るべきだろう。裏を返せば、負傷者が順次復帰し、噂される追加補強が実現すれば、2011/12シーズンのような右肩上がりの展開が数字の符合とは無関係に十分起こり得るということでもある。ファンにとって縁起の良い話として楽しむ分には構わないが、実際の反撃の鍵を握るのは迷信ではなく、離脱組の復帰スピードと今後の補強の中身になりそうだ。

