レポート
「アームバンドを巻く責任は誰もが夢見るもの」――ファンデフェンの言葉
スパーズは22日、2026/27シーズンの男子・女子それぞれの新キャプテンとして、ミッキー・ファンデフェンとドリュー・スペンスを指名したと発表した。ロベルト・デゼルビ監督が金曜日に発表した5人のリーダー陣のうち、ファンデフェンが筆頭のキャプテンに指名され、副将にはペドロ・ポロ、ジェームズ・マディソン、ベン・デイヴィス、アーチー・グレイが名を連ねる。
ファンデフェンは、トッテナムのキャプテンを任されることは大きな名誉であり、毎試合チームを先導する立場として「アームバンドを巻く責任は、誰もが夢見るもの」と喜びを語った。
2023年8月にヴォルフスブルクから加入したファンデフェンは、欧州屈指のセンターバックの1人と評され、加入以来安定した活躍を続けている。2025年のヨーロッパリーグ制覇では、決勝のマンチェスター・ユナイテッド戦でゴールライン上の劇的なクリアを記録するなど中心選手として貢献し、昨シーズン終盤の6試合ではデゼルビ体制下でキャプテンも経験済みだ。今夏には長期契約に合意しており、全競技での出場数は96試合・10ゴールに到達している。オランダ代表としてもワールドカップでの出場を経て、通算キャップ数を24に伸ばした。
複数のリーダーで支える女子の新体制
女子キャプテンに就任したドリュー・スペンスは、マーティン・ホー監督が指名するパフォーマンスグループに支えられる。メンバーはジェシカ・ナズ、エヴェリーナ・スマネン、古賀塔子、ジュリー・ブラクスタッド、ケイトリン・ダイクストラの5人だ。
ドリュー・スペンスは今季のキャプテン就任を誇りに思うと述べた上で、自身の経験を生かしてチームを成功に導きたいという意欲を示した。単独のリーダーに頼るのではなく、パフォーマンスグループ全体でそれぞれ異なる形のリーダーシップを発揮し、チーム一丸で好シーズンを目指す姿勢を強調している。
2022年夏にチェルシーから加入したドリュー・スペンスは、成長を続けるスパーズのウィメンズ・スーパーリーグ(WSL)陣で中盤の要を担ってきた選手で、全競技での出場数は88試合に到達している。得点感覚も備えた闘志あふれるミッドフィルダーで、昨シーズンは記録的なWSLキャンペーンでの19試合を含む全競技24試合に出場。12月にはWSL通算200試合出場という節目も達成した。加入前のチェルシーでは238試合に出場し、11のメジャータイトル獲得に貢献した実績を持つ。ジャマイカ代表としても主力を担い、2023年のワールドカップでは同国史上初のノックアウトステージ進出に貢献している。
記事解説
今回の男子キャプテン交代の背景には、クリスティアン・ロメロの退団がある。ロメロはソン・フンミン退団後にキャプテンへ就任し、今夏アトレティコ・マドリードへ移籍した。その後任として、ポロやマディソンといった在籍歴の長い選手ではなくファンデフェンが選ばれた点は、単なる在籍年数や経験値ではなく、昨シーズン終盤6試合の”キャプテン経験”という実績をデゼルビが重視したことの表れと見てよい。
5人のリーダー陣という体制自体にも注目したい。単独のキャプテン+副キャプテンという縦の序列ではなく、複数人でリーダーシップを分散させる構造は、特定の選手への依存を避けつつチーム全体の当事者意識を高める狙いがあると考えられる。アーチー・グレイのような若手をこの5人に含めた点は、経験豊富なデイヴィスと組み合わせることで、世代交代を見据えた布陣づくりを進めている表れとも読み取れる。
女子チームで単独キャプテンではなく5人の「パフォーマンスグループ」という枠組みを採用したのも、男子の複数リーダー制と軸を同じくする発想だろう。古賀塔子のような若手も名を連ねており、経験と将来性の両方をチームの意思決定に反映させたい意図がうかがえる。男女両チームでほぼ同時に同様のリーダーシップ構造へ移行した点は、クラブ全体として一貫した方針を持って新シーズンに臨んでいることを示している。

