レポート
トッテナムは直近2シーズンで2年連続17位に終わった。それでもクラブには奇妙な楽観論が漂っている。降格圏との戦いを制したロベルト・デゼルビの手腕が、今シーズンさらなる変革をもたらすとファンの多くが期待しているためだ。夏の移籍市場ではプレミアリーグでの実績十分な選手たちに巨額を投じており、デゼルビにはゆっくりとした再建を待つ余裕も忍耐もない。
「最も可能性が高い順位は7位」
開幕を前に、Opta Analystがスーパーコンピューターによる今シーズンの順位予想を発表した。最も可能性が高い最終順位は7位。プレミアリーグ優勝の確率はわずか2.5%で、優勝候補としては8番目に高い数字にとどまる。トップ4フィニッシュの確率は17.6%と算出された。
「4位から14位まで、5.5%から6.3%の幅」
注目すべきは予測の広がりだ。トッテナムが4位から14位までの各順位でフィニッシュする確率は、いずれも5.5%から6.3%の間に収まっている。これは今シーズンの不透明感の高さをそのまま反映した数字であり、再び降格争いに巻き込まれる可能性も、トップ4に食い込む可能性も、統計上はほぼ同程度に見積もられていることを意味する。今シーズンはヨーロッパの舞台への出場がなく、リーグ戦に専念できる環境が整っている点は、後者のシナリオを後押しする材料になり得る。
「5枠目のCL出場権なら23.7%」
プレミアリーグの複数クラブが欧州カップ戦で好成績を残せば、3シーズン連続でチャンピオンズリーグの出場枠が5つに増える可能性がある。その場合、トッテナムがこの5枠目を通じて出場権を得る確率は23.7%とされている。
「降格の可能性はわずか9.1%」
一方で、再び降格争いに巻き込まれる可能性は9.1%と、Opta supercomputerは低く見積もっている。ただし、直近2シーズンともに17位で終えた実績を踏まえれば、トッテナムのファンが手放しで楽観視できる数字ではない。
記事解説
4位から14位までほぼ均等に確率が割り振られたこの予測は、一見すると煮え切らない印象を与えるかもしれない。しかし、これは統計モデルが白黒つけることを避けたのではなく、プレシーズンの時点でチームの実力を測る材料が乏しいことをそのまま反映した結果だと見るべきだ。夏の移籍市場でトッテナムは大型補強を進めてきたが、新加入選手たちが公式戦でどこまで機能するかは、開幕してみるまで誰にも分からない。
興味深いのは、同時期にfootball.londonの記者2人がそれぞれ4位・5位という、Optaの予測よりも強気な順位を挙げていた点だ。人間の記者は補強の内容や監督への信頼感といった定性的な要素を重視しやすい一方、統計モデルはこれまでの実績データを重視するため、より保守的な数字に落ち着きやすい。両者のギャップは、今シーズンのトッテナムがどちらの見立てに近づくかを占う上で、ひとつの参考軸になるだろう。
また、9.1%という降格リスクの数字も軽視すべきではない。統計モデルは直近の実績を強く反映する傾向があり、2年連続17位という近い過去の記憶がこの数字を押し上げている可能性が高い。大型補強が実際にピッチ上の結果へ結びつくまでは、油断できない立ち位置に変わりはない。

