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【エンバゴ】残留確約のベリヴァル、明言避けたサール──デゼルビが下す非情な選別

【エンバゴ】残留確約のベリヴァル、明言避けたサール──デゼルビが下す非情な選別

✔ ベリヴァルは「100%残留」とデゼルビ明言
✔ サールの残留は保証せず、去就不透明
✔ トナーリを「想像以上」と絶賛

レポート

「ベリヴァル、100%残留」──デゼルビが明言

デゼルビ監督は、ルーカス・ベリヴァルが今シーズンもトッテナムに残ることを明言した。「ベリヴァルは100%残留する。プレシーズン中に多くの話をした。彼はトップクラスの選手であり、大きな可能性を秘めている」と述べた。

ベリヴァルは今夏の初め、ワールドカップ出場前にクラブへ新たな挑戦を望む意向を伝えていた。トッテナムはニューカッスルとフォレストからのオファーを拒否し、デゼルビはプレシーズンを通じて20歳のベリヴァルに出場機会を与え続けた。

デゼルビは「今は彼自身が残りたいと思っていて、我々に問題はない」と話し、ベリヴァルの心境の変化を強調した。

「彼が残るかどうか分からない」──サールについてデゼルビ

一方でデゼルビは、23歳のパペ・マタル・サールについては同様の保証を与えなかった。1億8,500万ポンドを投じたサンドロ・トナーリとマテウス・フェルナンデスの加入で、中盤の競争が激化している。

「サールは8月最初の週までセネガルに残っていたため、プレシーズンのスタートが遅れた」とデゼルビは説明した上で、「彼は良い選手だ。残るかどうか分からない、状況を分析しないといけない。ただ、彼も非常に重要な選手の一人だ」と語った。

「言葉ではなく行動」──オーナー一家の有言実行をデゼルビが評価

トッテナムは今夏、サヴィーニョとオマル・マーモウシュというマンチェスター・シティの攻撃陣2人の加入により、総支出が3億7,700万ポンドに達する可能性がある。オーナーのルイス家は、昨シーズン残留争いに巻き込まれた後、「言葉ではなく行動」を約束していた。

デゼルビは「私が3月に来てから、彼らは自分たちの言葉通りに行動してくれた。とても満足している」と述べた。今夏はスタジアム収益と、放出・ローンによる最大2億1,300万ポンドの収入を活用した補強だったと説明されている。

批判の声については「なぜ人々はトッテナムが良くなることを喜ばないのか分からない。これは我々にとってさらなるモチベーションになる」と反論した。

「思っていた以上の選手」──デゼルビが明かすトナーリ評

ニューカッスルからクラブ史上最高額でトナーリを獲得したトッテナム。デゼルビは以前から彼を知っていたが、実際に指導してみて評価が一段と高まったという。

「サンドロ・トナーリは、選手としても人間としても、思っていた以上だった。家族やエージェントのことも知っているし、みんな良い人たちだ」とデゼルビは語った。「彼と一緒に働けてとても嬉しいし、正しい場所にいる正しい選手だと思う。彼をプロジェクトの中心に置きたい」

「11人でも15人でも足りない」──デゼルビが求める競争環境

移籍市場はあと11日残っており、デゼルビは選手たちの機嫌を取るつもりはないと明言した。「今日は8月21日だ。この選手たちは全員、すでにスカッドの状況を分かっている。もしピッチ内やドレッシングルーム内での競争を受け入れられないなら、去ればいい」

「リバプール、アーセナル、チェルシー、マンチェスター・シティ、バイエルン・ミュンヘン、バルセロナ、レアル・マドリード、ユベントス、ACミランを見れば分かる。強豪クラブのドレッシングルームには大きな競争がある」とデゼルビは続けた。

19歳のマイキー・ムーアについては、ケルンへのローン移籍が取り沙汰される中、「移籍するかどうか分からないが、彼は良い選手で、大きな可能性を持っている」と評価。若手のルカ・ウィリアムズ=バーネットとマラカイ・ハーディにも触れ、「アカデミー出身の彼らを誇りに思う」と述べた。

「ワドルに会えなかったのが残念」──伝説たちが伝えるクラブの魂

デゼルビは、グレン・ホドル、ギャリー・マバット、スティーブ・ペリーマンら多くのクラブOBを招き、選手たちに「クラブの魂」を語ってもらう場を設けた。「外国籍の選手たちには、このクラブがどんなレベルのクラブなのかを理解してもらう必要がある。2シーズン連続で17位に終わったとしても、クラブのレベルは変わらない」と話した。

唯一招けなかったのがクリス・ワドルだったという。「ワドルに会えなかったのは残念だ。子供の頃、大好きな選手の一人だった。マルセイユでプレーしていて、クドゥスやクルゼフスキ、シャビ・シモンズ、マティス・テルにとって、彼の話はきっと良い刺激になっただろう」と語った。

記事解説

ベリヴァルの残留表明は、今夏のトッテナムにとって象徴的な決断だ。彼は開幕前にニューカッスルとフォレストという2つの現実的な移籍先候補を持ちながら、それでも慰留された。プレシーズンでの継続的な出場機会という具体的な待遇が、20歳の心境を変えた最大の要因だろう。SCR(スクワッド・コスト・レシオ)による支出制約が厳しくなる中、若く才能ある選手を安売りせず引き止められたことは、財務健全性と競争力の両立を目指すトッテナムにとって小さくない成果と言える。

一方のサールの去就は、単なる憶測では片付けられない段階に来ている。8月20日にはガラタサライとの個人合意が報じられ、8月22日にはガラタサライ側の1,840万ユーロの提示をトッテナムが拒否したとする報道と、そもそもオファー自体を否定する報道が対立していた。今回デゼルビ自身が「残るかどうか分からない」と初めて公の場で認めたことで、これまで交錯していた移籍報道に、クラブ内部からの裏付けが加わった格好だ。1億8,500万ポンドを投じたトナーリとフェルナンデスの加入で中盤の序列が大きく変わったことに加え、サール自身が8月初旬までセネガル代表活動を優先しプレシーズンへの合流が遅れたことも、序列後退の一因として見逃せない。

デゼルビが移籍市場への批判に強く反論した背景には、昨シーズンの残留争いという生々しい記憶がある。3億7,700万ポンド規模の補強は一見大盤振る舞いに映るが、放出・ローンで最大2億1,300万ポンドを確保した上での投資であり、スタジアム収益を軸にした収支バランスを保った補強だという説明は筋が通っている。批判の多くは「金額の大きさ」だけに反応したものであり、収支構造まで踏み込んだ議論にはなっていない。

「11人でも15人でも足りない」という発言は、単なる強気の姿勢表明ではなく、デゼルビが目指すチーム構築の設計図そのものだ。主力の座に安住させず、控え選手も含めた全員に競争を課す方式は、欧州の強豪クラブが実践してきた手法であり、2シーズン連続17位という屈辱から抜け出すためにデゼルビが選んだ処方箋と言える。ベリヴァルの残留とサールの流動的な立場は、その競争環境がすでに機能し始めている証左でもある。