レポート
ガクポ獲得の狙いは”偽9番”ではなくウイング起用
トッテナムは依然として、プレミアリーグ・ビッグ6所属のサヴィーニョ、コディ・ガクポという2人のウイングを最優先の獲得目標として追い続けている。進展こそ遅いものの、両者ともデゼルビとクラブにとって今なお現実的な選択肢だという。
複数の英メディア記者は、スパーズがこの2人に加えてさらに1人の前線選手を獲得する意向だと明かしている。ガクポが不振のソランケに代わる”偽9番”としてプランに含まれるとの見方も一部にあったが、実際にはガクポ、サヴィーニョの2人はあくまでウイングの選択肢として求められており、正真正銘のストライカーは別枠の3人目の補強として狙われている。現時点でフォラリン・バログン、ニコラス・ジャクソンの名前が挙がっているが、具体的な交渉に入っているストライカーはまだいないという。
リシャルリソンはプレシーズンで存在感、昨季11ゴールでチーム最多
新たなストライカー獲得をなお模索しているという事実は、現有の前線選手陣に対するクラブの評価を映し出している。かつて放出候補とされていたリシャルリソンは、今プレシーズンで良い出来を見せており、2025/26シーズンはチーム最多の11ゴールを記録し、攻撃陣の中で最も頼れる存在だったとされる。
ソランケへの視線が厳しさを増す、6,500万ポンドの補強は伸び悩み
一方で割を食っているのがソランケだ。2024年に6,500万ポンドで加入した選手に対し、ファンの視線は厳しさを増している。ハリー・ケインの後継者になるとは誰も期待していなかったにせよ、ケインのバイエルン・ミュンヘン移籍後にダニエル・レヴィが選んだストライカーだったという経緯は軽視できない。
好調な時期を除けば、ソランケはトッテナムで苦戦を強いられてきたとされ、スペースを与えられた相手にしか本来の持ち味を発揮できていないという指摘もある。プレミアリーグの密集した守備を相手には自力で局面を打開できておらず、デゼルビが本人を高く評価しているとされなければ、すでに放出されていてもおかしくないという見方も示されている。
3人体制でも実質2人、新9番獲得ならソランケの運命は2027年に決着
トッテナムは今シーズンも3人のストライカーを抱える可能性があるが、新たな9番が獲得され、その選手が結果を残す一方でソランケが格下相手にも苦戦を続ければ、2027年にソランケの立場が決着する可能性は十分にある。昨シーズンの出場時間の少なさを踏まえれば、ソランケを含めた”3人体制”は実質的に2人体制に近いという見方もファンの間にはあるという。
記事解説
今回のソランケ論は、同日に伝えたシティとのサヴィーニョ、マーモウシュの”ダブル獲得”交渉が進んでいるという前提に立つと、意味合いが変わってくる。当初、ソランケの後任候補としてはバログン、ジャクソンという漠然とした名前しか挙がっていなかったが、マーモウシュ獲得の現実味が高まったことで、ソランケが直面する競争相手は一気に具体化した。
マーモウシュはこれまでにシティで、偽9番やセカンドストライカーとしてすでに結果を残している選手だ。バログン、ジャクソンのようにプレミアリーグでの実績をこれから積み上げる段階の候補とは違い、マーモウシュは加入直後からデゼルビの中央のオプションになり得る。ソランケにとっては、漠然とした将来の脅威ではなく、即座に序列を脅かす具体的な相手が現れたことになる。
マーモウシュはシティでウイング寄りの起用をされることもあり、加入後にどのポジションで使われるかは不透明な部分も残る。それでも、9番としての適性を併せ持つ選手が現実的な獲得候補として浮上したこと自体、ソランケの立場を弱める材料になる。デゼルビが本人を評価しているとされる点だけが、今のところソランケの出場機会を支えている状態だ。
ただし、ソランケの放出が今夏中に決着する保証はない。サヴィーニョ、マーモウシュとの交渉自体、シティとの間で正式合意にはまだ至っておらず、仮に成立してもマーモウシュが加入直後から仕上がるとは限らない。ソランケの立場が決定的に揺らぐのは、来夏を待たず、マーモウシュ加入後の数試合で明らかになる可能性がある。

