レポート
トッテナムは、ここ数日一部で報じられていた金額よりもかなり低い水準でヴィクター・オシムヘンを獲得できる可能性がある。スパーズは現在コディ・ガクポとサヴィーニョの獲得を優先しているが、ストライカーの補強も見込まれている。数日前、フロリアン・プレッテンベルク記者は、アル・ヒラルの1億3,000万ユーロ(1億1,100万ポンド)というオファーですらガラタサライに受け入れられなかったと報じていた。
しかしスパーズはノースロンドンのライバル、アーセナルとの競合にも直面している。ガナーズはガブリエウ・マルティネッリのガラタサライ移籍が取り沙汰される中で、オシムヘンの獲得についても話し合ったとされる。Football Insiderの新たな情報によれば、ミケル・アルテタのガナーズは近く「具体的なオファー」を提示する可能性があるが、いかなる合意もマルティネッリの件とは別に進める必要があるという。同メディアは、プレミアリーグ王者のアーセナルが、元ナポリのFW獲得には6,000万ポンド超のオファーが必要だとガラタサライから伝えられたと明かしている。これはプレッテンベルクが報じた金額を大幅に下回る水準だが、この取引には「落とし穴」があるとされる。
Football Insiderが取材したピート・オルーク記者によれば、オシムヘンは今夏、比較的手頃な移籍金で獲得可能かもしれないという。しかし、この取引を高額にしているのは移籍金ではなく、オシムヘンの給与要求だと説明。現在イスタンブールで週30万ポンド超を稼いでいるとされる。アーセナルの獲得動向について問われたオルークは、「移籍金自体は60万ポンド強で収まりそうだが、契約全体の総額こそが本当のコストになる」との見方を示した。
記事解説
今回の報道で最も重要な含意は、移籍金そのものがアーセナルにとってもスパーズにとっても大きな障壁にならない水準に収まっている、という点だ。両クラブとも6,000万ポンド超という金額自体は十分に許容できる規模であり、この移籍における真の交渉材料は移籍金ではなく週給に絞られている。裏を返せば、オシムヘン陣営(本人および代理人)は「移籍金では両クラブに差がつかない」という状況をそのまま利用し、2つのビッグクラブを競わせて年俸を吊り上げようとしている構図とも読める。
仮に両クラブが近い水準の週給を提示した場合、タイトルを争える立ち位置や今季のCL出場権を考えれば、オシムヘンがアーセナルを選ぶ公算のほうが高いだろう。つまりスパーズがこの争奪戦を制するには、アーセナルよりも明確に高い週給を提示する必要がある。しかも、それだけの上乗せをしてなお、オシムヘンが最終的にアーセナルを選ぶ可能性は十分に残る。スパーズにとっては、極めて分の悪い立ち位置での交渉参加といえるだろう。
この構図を踏まえると、スパーズが今回の報道でオシムヘンの交渉相手として名前を連ねていること自体、選手側にとって好都合な「価格・年俸つり上げの材料」として利用されているだけという見方もできる。実際に獲得へ至るかどうかは、アーセナルとの週給差をどこまで許容できるか、そしてそれだけの条件を提示してなおオシムヘン本人がスパーズを選ぶ動機を持てるかという、極めてハードルの高い条件にかかっている。

