レポート
スポーティングディレクターのヨハン・ランゲには、移籍市場が閉まるまでにまだ多くの仕事が残っている。今夏はすでに新加入選手に約2億4,000万ポンドを投じ、売却で約1億4,000万ポンドを回収したが、football.londonはオピニオンコラムの中で、9月1日の期限までにスパーズが取るべき「理想の道筋」を描いている。
スパーズが最終節でエヴァートンを破り残留を決めた瞬間から、デゼルビはスカッドを一から作り直したいという意向を示しており、ランゲは6月末までに主要な業務の大半を終えていた。ブライトンからヤン・ポール・ファンヘッケを獲得したほか、リバプール、ボーンマス、バーンリーからそれぞれアンディ・ロバートソン、マルコス・セネシ、マルティン・ドゥブラフカを自由移籍で確保。7月にはクラブ記録移籍金を1週間で2度更新し、ウェストハムからマテウス・フェルナンデス、ニューカッスルからサンドロ・トナーリを獲得した。プレミアリーグ経験豊富な選手でスカッドを大幅に強化した一方、前線の補強はまだ実現していない。
同コラムが挙げる「獲得すべき選手」は、サヴィーニョとヴィクター・オシムヘンの2人だ。デゼルビはフィニッシャーよりクリエイターに近いタイプの左サイドFWを求めており、テルとの出場時間争いの相手として想定されているという。トップストライカーについては、ソランケがプレミアリーグで十分な統率力を示してきたものの、過去2年間で期待されたほどのゴール数を挙げられていない点を踏まえ、オシムヘンのような選手が次のレベルへの鍵になり得るとしている。
「放出すべき選手」としては、契約最終12ヶ月に入ったリシャルリソンの現金化と、ヴィカーリオの売却完了が挙げられている。また、ソウザとデイン・スカーレットについては、ベンチでの散発的な出場よりも定期的な出場機会が見込める好条件のローン先を見つけるべきだとしている。同コラムは、サヴィーニョとオシムヘンの獲得が実現すれば、デゼルビはスパーズを欧州カップ戦へ導き、タイトル獲得も視野に入れる道具を手にすることになるとし、シーズン終盤に復帰予定のシャビ・シモンズの存在も軽視すべきではないと結んでいる。
記事解説
まず前提として、この記事はfootball.londonの記者たちが「opinion(オピニオン)」と明記している通り、記者個人の願望に基づくシナリオであり、確定した移籍情報や公式発表ではない。「獲得すべき」「放出すべき」という書きぶりからも分かる通り、これは予測というより提言に近い性格の記事だ。
とはいえ、挙げられている選手・方向性自体は、これまでの一連の報道と矛盾しない。サヴィーニョとの交渉、オシムヘン獲得への関心、リシャルリソンとヴィカーリオの放出方針は、いずれも複数の情報源で裏付けられてきた内容であり、このコラムは「点在する個別ニュースを、移籍期限までの完成形として一つに束ねた」ものと捉えるのが適切だろう。
特に興味深いのは、ソウザとスカーレットという若手2人のローン移籍先について、単に「出す」だけでなく「定期的な出場機会が見込める好条件」という質的な条件を付けている点だ。これは前回のムーアやランクシャーをめぐる記事解説でも触れた「育成選手を安易に放出することへの警鐘」という論点とも通じる視点であり、今夏のスパーズが直面している若手選手の処遇という課題を改めて浮き彫りにしている。

