レポート
スパーズは土曜、トッテナム・ホットスパー・スタジアムでホッフェンハイムに3-0で勝利した。このドイツ勢との2連戦の1試合目にあたり、残りのメンバーは日曜、ホットスパー・ウェイでの無観客試合に出場する予定だ。ロベルト・デゼルビはいずれの試合でも強力な先発11人を起用し、若手はベンチに置く方針とみられる。
54,345人の観客が見守る中、1億ポンドの新加入サンドロ・トナーリ、5,200万ポンドのCBヤン・ポール・ファンヘッケに加え、無償加入のマルコス・セネシとアンディ・ロバートソンが出場した。クリスティアン・ロメロとジェド・スペンスは、それぞれアトレティコ・マドリードとインテル・ミランへの移籍が決まっており、出場しなかった。
スパーズは35分に先制。トナーリが華麗なタッチで相手をかわして持ち上がると、ロバートソンへボールを展開し、ロバートソンのファーストタッチのクロスをリシャルリソンが押し込んだ。59分には2点目。マティス・テルが左サイドで2人をかわし低いクロスを送ると、19歳のマイキー・ムーアが良い動き出しから押し込んだ。79分には、再びテルが賢いパスでムーアへ展開し、ムーアが丁寧なタッチでゴール左隅に流し込んで3点目。3-0で試合を終えた。
アントニン・キンスキー:8
前半は目立った対応を求められなかったが、終盤にダギムのシュートを止めた。後半にはヴィマー、ロッツのシュートも防ぎ、セットプレーではエリアをしっかり支配。終盤にはホッフェンハイムのDFをドリブルで抜き去る場面もあった。
アーチー・グレイ:7
プレシーズンで再びキャプテンを務め、右サイドバックで大きなミスはなかった。本来望むポジションではないが、結果的にこの役割の適性を示す形になっている。
ヤン・ポール・ファンヘッケ:8
守備で幾度も鋭いインターセプトを見せた。バックラインでの統率力があり、常にボール扱いも落ち着いている。後半にはロメロを思わせるような、相手ゴール前まで一気に上がってプレスをかける場面もあった。
マルコス・セネシ:7
ファンヘッケと比べるとやや鋭さで劣り、パスにも時折ためらいが見られたが、良い場面も多かった。後半序盤にはテルへ良いパスを供給。ファンデフェンが出場に近い状態にないとみられる中、このアルゼンチン人には出場機会が巡ってきそうだ。
アンディ・ロバートソン:8
序盤から危険なクロスを何度も供給し、リシャルリソンの得点につながったファーストタッチのクロスもその一つ。90分間フルに出場し、終始危なげない対応を見せた。
サンドロ・トナーリ:8
チームのテンポを支配する存在になることを示した。華麗なタッチで相手をかわし持ち上がると、リシャルリソンの得点につながるパスをロバートソンへ送った。常に試合をコントロールしている印象だった。
ルーカス・ベリヴァル:7
中盤で巧みなタッチとターンを随所に見せる好パフォーマンス。前半にはバウマンに止められたものの、走り込んでの低いシュートも放った。後半はやや疲れが見えたが、質の高さは示した。
マイキー・ムーア:9
危険なランと、ゴール前へのクロスを複数回披露し、そのうち1本はリシャルリソンとテルがわずかに合わなかった。1時間前には自らも良い動き出しからテルの折り返しに合わせて先制点に近い得点を記録すべき場面を作り、実際に得点。20分後の2点目も見事なタッチと繊細なフィニッシュだった。デゼルビが今後数週間で新たなウィンガー獲得を望み、クドゥスの復帰も見込まれる中、ローン移籍へ送り出される可能性は依然高いとみられるが、今回のパフォーマンスは彼がどれほどの才能を持つかを改めて示すものとなった。
コナー・ギャラガー:6
持ち味の運動量を前半から発揮したが、プレー自体への影響は限定的だった。スパーズがボールを保持する際、中盤3枚の左サイドへ繰り返し顔を出していた。
マティス・テル:9
前半は左サイドで再三仕掛けたが、決定力にはやや欠けた。しかし後半は一変。まずセネシからのパスを受けてシュートを枠上に外したが、その後ムーアへの低いクロスで2点目をアシスト。さらに気の利いた逆足のパスでムーアの2点目にもお膳立てした。
リシャルリソン:7
プレシーズンでまた1ゴール。時折スピード感を欠く場面もあり、パスを受ける機会自体も多くはなかったが、得点シーンではポジショニングの巧さが光った。後半序盤にはシュートを枠の上に外す場面もあった。
途中出場(採点なし):タイリース・ホール、マラカイ・ハーディ、レイス・エリオット=パリス、ミラクル・アデウォーレ、ジェイミー・ドンリー
若手たちは残り15分(ドンリーは終盤のみ)から出場したが、いずれも明るいプレーぶりでプレーに絡み、彼らが入ってもチームの流れが落ちなかった点は最大級の賛辞に値する。目指すべき道筋は、ムーアの姿を見れば明らかだろう。
記事解説
今回最も目を引いたのは、マイキー・ムーアの2ゴールだろう。この夏、本人はレンジャーズへの完全移籍話が浮上する中でもトッテナム残留を熱望する姿勢を示してきた経緯がある。デゼルビがまだ「時期尚早」と判断すれば再びローンに出す可能性が高いとみられていたが、今回のパフォーマンスは、その判断を難しくする材料になったはずだ。数字だけでなく、動き出しの質やフィニッシュの精度も含め、十分にトップチームで戦える片鱗を示したといえる。
トナーリとファンヘッケという高額補強が期待通りの働きを見せた点も収穫だ。特にトナーリは、テンポを支配するという触れ込み通りのプレーを見せており、開幕からの主力起用がほぼ既定路線であることを裏付けた。
一方で、セネシがファンデフェンの代役として出場機会を得られそうな状況は、開幕前の最後の調整という意味でも重要だ。無償加入の選手が主力級CBの一角を担う可能性が出てきたことは、今夏の補強戦略の成果を示す一例といえるだろう。

