レポート
移籍金3,420万ポンドで正式合意
アトレティコ・マドリードは、クリスティアン・ロメロ獲得のためスパーズに3,420万ポンドを支払うことで合意した。BBCによれば、28歳のロメロは間もなくマドリー移籍を完了させる見通しだという。
サンダーランド戦の負傷から残留争いの渦中へ
ロメロにとってスパーズでの最後の試合は、4月のサンダーランド戦となった。この試合で膝を負傷し、涙を流しながら途中退場。これがシーズン残り6試合の欠場につながった。当時チームは降格圏争いの真っ只中にあり、ロメロが古巣ベルグラーノのアルゼンチン国内リーグ決勝を観戦するためアルゼンチンに帰国する計画を立てていたことが伝わり、一部ファンの反感を買った。最終的には予定を変更してイングランドに戻り、スパーズが1-0で勝利したエヴァートン戦に出席。この勝利によりチームは残留を決め、2シーズン連続で17位フィニッシュとなった。
X(Instagramにも)に投稿したメッセージの中で、ロメロは自身が完璧な選手ではなかったと認めつつ、「常に全力を尽くした」ことが心の安らぎになると綴り、誇りと全身全霊でこのユニフォームを守ってきたと結んでいる。
2021年加入から156試合、17年ぶりの栄冠に貢献
ロメロは2021年にアタランタから加入し、以降スパーズの守備の要として156試合に出場した。最大のハイライトは、2025年のヨーロッパリーグ決勝でマンチェスター・ユナイテッドを下し、17年ぶりとなるタイトル獲得に貢献したことだ。
記事解説
今回明らかになった経緯を踏まえると、ロメロの別れのメッセージは単なる感傷的な挨拶ではなく、シーズン終盤に生じたファンとの軋轢を意識した、関係修復の意味合いも強かったとみられる。アルゼンチン帰国計画をめぐる反発は決して小さくなく、それを乗り越えてエヴァートン戦に出席した経緯を踏まえれば、今回の投稿は有終の美を飾るための重要なステップだったと考えられる。
3,420万ポンドという移籍金は、ロメロのクラスのセンターバックとしては控えめな水準だという見方をさらに裏付けるものだ。負傷による離脱とシーズン終盤の混乱が、市場価値の低下に一定の影響を与えた可能性は高い。
2021年の加入から通算156試合、17年ぶりのタイトル獲得への貢献という実績を踏まえれば、今回の移籍は数字だけでは測れない喪失感を伴うものだ。それでも、クラブとしては世代交代のタイミングと重なったことで、感情面と実務面の両方で整理をつけやすい移籍になったといえるだろう。

